新日鉄、米エクソンモービルが高強度ラインパイプ用鋼管(X120)の敷設溶接技術に関するライセンス供与契約を締結

2011/08/10

X120ラインパイプ用鋼管

新日本製鐵株式会社
Exxon Mobil Corporation


新日鉄、米エクソンモービルが高強度ラインパイプ用鋼管(X120)の敷設溶接技術に関するライセンス供与契約を締結


新日本製鉄株式会社(社長:宗岡正二 以下、新日鉄)と米国エクソンモービル・コーポレーション(Exxon Mobil Corporation Chairman and Chief Executive Officer:Rex W. Tillerson 以下、エクソンモービル)は、エクソンモービルが保有する高強度ラインパイプ用鋼管(米国石油協会規格 X120)の敷設溶接技術について、世界で初めてライセンス供与契約を締結いたしました。

エクソンモービルは、X120の総合的開発プログラムを推進し、高強度高靭性を達成するためのX120敷設溶接材料と溶接技術を開発しました。溶接方法はアルゴンガスをベースとしたPGMAW(パルス・ガス・メタル・アーク溶接)によるもので、パイプライン敷設業界で使用されている一般的な溶接機器で施工が可能です。

今回、新日鉄が供与を受ける敷設溶接技術は、ラインパイプの敷設時に鋼管同士を接続するための溶接技術に加えて、専用の溶接材料の製造ライセンスも含まれています。本契約により、新日鉄はX120ラインパイプ用鋼管製造技術と共に、敷設時の中核技術である敷設溶接技術をあわせ持つ世界初の鋼管製造会社となります。

新日鉄とエクソンモービルが共同開発した高強度ラインパイプ用鋼管(X120)は、一般的なガスパイプラインに使用されているX80規格と比較して1.5倍の強度を有することから、高圧・大径輸送による経済性に優れたパイプラインの敷設が可能となります。

世界のエネルギー消費が趨勢的に拡大する中、クリーンエネルギーである天然ガスは、今後20年で60%需要が伸びると予測されています。今後の天然ガス開発は、遠隔地化が更に進展することから、コスト競争力のある輸送手段が必要となります。新日鉄は、高強度ラインパイプ用鋼管(X120)の提供を通じて、遠隔地ガス田開発の経済性向上に大きく貢献していきます。


用語解説
X120ラインパイプ用鋼管:
最低降伏強度が120ksi(830MPa)という極めて高い値を要求されるラインパイプ用鋼管。米国石油協会ラインパイプ規格(APL5L)及びISOラインパイプ規格(ISO3183)に2007年度版より規定された。

PGMAW(パルスGMAW):
Pulsed Gas Metal Arc Weldingの略。パルス電源により溶接アークを安定させた消耗電極式ガスシールドアーク溶接法。パルスMAGともいう。


(お問い合わせ)新日鉄 総務部広報センター 03-6867-2146


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