原油タンカー用高耐食性厚鋼板「NSGP-1」が世界で初めて船級承認(ClassNK)を取得
2011/04/27
新日本製鐵株式会社(社長:宗岡正二、以下、新日鉄)大分製鐵所で製造する原油タンカー用高耐食性厚鋼板「NSGP®-1(*1)」が、世界で初めて、IMO(国際海事機関)耐食鋼性能基準を満たす原油タンカーの貨物タンク底板用として一般財団法人日本海事協会(以下、ClassNK)から承認されました。
NSGP-1は、油漏れなどの重大事故につながるおそれのある原油タンカーの貨物タンク底面の腐食を防ぐために、新日鉄が日本郵船とともに世界に先駆けて開発・実用化した鋼材です。NSGP-1は少量の合金を最適に組み合わせることで、従来の鋼材の5倍以上の耐食性を有しながら、溶接・加工は従来鋼と同様に施すことができます。
昨年の原油タンカー貨物タンクの腐食防食措置に関するSOLAS条約(*2)の改正で、2013年以降に建造契約されるタンカーに防食対策が義務付けられました。この防食対策として耐食鋼を使用するためには、船級協会等の公的機関からIMOルールおよび当該機関のガイドラインを満足するものとして承認を得ることが必要です。今回、NSGP-1がClassNKから承認を受けたことで、防食が義務付けられる原油タンカー貨物タンクに対し、正式に塗装レスで使用できることとなりました。
新日鉄は今後とも高機能鋼材の開発・提供を通じて、船舶のより一層の安全性向上と地球環境への貢献に取り組んでまいります。
*1:NSGP(Nippon Steel Green Protect)は新日鉄の登録商標です。
*2:2010年5月にIMO(国際海事機関)のMSC87(海洋安全委員会)で採択された国際条約。5,000 DWT以上の原油タンカー貨物油タンクに対し、塗装性能基準に従った塗装、または耐食鋼の使用などの代替措置による防食保護を要求するもの。
(本件に関するお問い合わせ先)
総務部 広報センター TEL:03-6867-2135
厚板営業部 厚板商品技術グループ TEL :03-6867-6401