「ジャイロプレス工法」道路擁壁への適用が本格化 ~コンパクトな施工と短工期・低コストが評価~

2010/12/14

道路擁壁の施工模式図

適用事例:大阪中央環状線道路改良工事(施工状況)

                                      株式会社技研製作所
                                      新日本製鐵株式会社

 株式会社技研製作所【社長:北村 精男】と新日本製鐵株式会社【社長:宗岡 正二】が共同開発を行った「ジャイロプレス工法®」は、道路擁壁への適用が本格化してきております。平成16年度の市場投入から平成19年度までの道路擁壁向けの実績は鋼材重量で約700tであったのに対して、平成20年度以降では、大阪中央環状線道路改良工事(発注:大阪府)(800t)、加古川BP溝之口BOX改良工事(発注:国土交通省近畿地方整備局)(1,400t)で採用され、着実に実績を伸ばしております。今年度においても、大谷口上町道路拡幅整備工事(発注:東京都板橋区、施工:三立・明治土木建設共同企業体)等のプロジェクトに適用されます。
 ジャイロプレス工法はこれまで主に、東京都の河川護岸改修工事に適用されてきました。住宅・交通が密集し、施工エリアが限られた現場でも、短工期・低コストで施工可能であること、環境に優しい工法であること、堅固な地盤でも適用できることといったメリットを活かし、実績を重ねてきました。近年では、それらの実績により、工法のメリットが全国的に認知されてきたことで、道路擁壁での適用も増えてきております。
 市場投入以来、ジャイロプレス工法は工事件数で46件、鋼材重量で20,000t(H22年7月時点)を超える実績を重ねて参りました。今後とも両社は、工法の利点をアピールし、河川護岸改修工事に加え、道路擁壁分野をはじめとした新規用途への適用を推進することで、さらなる需要拡大を図っていきたいと考えております。


【工法の特長】
 ジャイロプレス工法は、先端に地盤の掘削性を高める特殊ビットを取付けた鋼管杭に回転力と圧入力を与えることにより地中に列状に貫入し、壁構造を構築する工法です。ジャイロプレス工法の特長を以下に示します。
 ① コンパクトな施工が可能です。
   施工機械類を施工済の杭上に配置することが出来るため、既設構造物と近接した狭隘な場所でも
  施工可能であり、周辺交通への影響も小さくすることができます。
 ② 硬質地盤、コンクリート構造物への貫入が可能です。
   鋼管杭先端の掘削用ビットにより、堅固な地盤層や既設のコンクリート構造物の貫入が出来る
  ため、打抜きのための補助工法や既設構造物の撤去・解体工事を省略でき、工期・コストの低減
  が図れます。
 ③ 周辺環境に優しい鋼管杭工法です。
   低振動・低騒音かつ無排土での施工が可能です。

【従来工法との比較】
 従来のプレキャストまたは場所打ちのL型コンクリート擁壁は、一般的に擁壁を設置する前に、鋼矢板などで仮設の土留め壁を設置する工事が必要となります。また、既設のコンクリート構造物が地中に存在する場合は、その解体・撤去工事を別途行わなければなりません。これらの工事は、工事全体の工期・コストの増大と、施工エリアが大きくなることで、近隣交通を阻害する等の問題があります。これに対し、ジャイロプレス工法では鋼管がそのまま仮設土留めの役割を果たすため、仮設工事が不要であるとともに、掘削ビットによりコンクリート構造物を打ち抜けるため、その解体・撤去は不要となります(図-1参照)。さらに、施工エリアが小さく出来るため、狭隘地での施工が可能であるとともに、低振動・低騒音工法であるため、住宅等が近接する地域においても適用することが出来ます。


(お問い合わせ先)
 株式会社技研製作所 工法事業部 TEL 03-3528-1633
 新日本製鐵株式会社 総務部広報センター TEL 03-6867-2146
           建材開発技術部 TEL 03-6867-6863


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