最高強度の建築用UO鋼管(BT-HTP500UO)が豊洲三丁目3-3街区計画に初採用

2010/06/10

 新日本製鐵株式会社(社長:宗岡 正二)が開発した設計強度500N/㎜2の建築構造用高降伏点UO鋼管「BT-HTP500UO」が、豊洲三丁目3-3街区に建設中の高層オフィスに初採用されました。BT-HTP500UOの設計強度は、一般的な建築用UO鋼管の約1.5倍で、建築用UO鋼管としては最高強度です。今回の採用で建築構造用高降伏点UO鋼管の採用実績は、設計強度400N/㎜2の「BT-HTP400UO」と併せて累計で5000トンを超えました。

 豊洲三丁目3-3街区計画は第一生命保険株式会社が施主で、清水建設株式会社が設計、清水・前田・日本建設共同企業体が施工を行う、地上14階、地下1階、高さ約75mの高層建築です。構造は、1階と2階との間に免震層を配した中間免震構造で、柱本数を減らして室内空間を大きくとるために、高耐力のコンクリート充填鋼管柱が用いられており、当社の「建築構造用高降伏点鋼シリーズ」のUO鋼管が500 N/㎜2と400N/㎜2合計で約1200トン採用されています。

 「建築構造用高降伏点鋼シリーズ」は超高層建築の柱向けに開発した鋼材であり、高い設計強度と、従来鋼と変わらない施工性・靭性を併せ持った画期的な鋼材です。鋼材の高強度化は柱の本数を減らし、フレキシブルで開放感のある空間の実現を可能とするとともに、板厚を抑え、鋼材使用量を削減することで、コストダウンと施工時間の短縮など様々なメリットを生み出します。さらに、鋼材使用量の削減は製造・輸送・加工の各段階でCO2排出削減につながり、環境保全の観点からもメリットをもたらします。

 当該UO鋼管は、君津製鉄所で高炉から厚板・造管まで一貫して製造しており、厚板工程で独自開発した制御冷却プロセス「CLC-μ」を適用し、結晶粒微細化によって高強度と高靭化を図ることにより製品化しました。UO鋼管は厚板を切断・溶接して製造する四面BOXコラム、厚板を曲げ加工して製造する板巻鋼管などの他の製法と比較して、コスト・工期の両面でメリットがあり、今後の採用増加が期待されます。

 現在注目が集まっている環境問題に配慮し、大都市圏で顕在化する建替えニーズに的確に応えるために、新日鉄は今後も新鋼材の開発に取り組んでいきます。


<用語説明>
(*1)UO鋼管
 厚板をオンライン上でプレス機で「U」次いで「O」字状に成形し、円筒状に仕上げた後、継ぎ目をサブマージアーク溶接で内外面から溶接した後、拡管により寸法精度を整えて製造した鋼管。製造可能範囲は外径457.2~1422.4mmで主要な用途はラインパイプ・建築柱等。

(*2)CLC-μ
 君津製鉄所厚板製造工程に導入した次世代型制御冷却プロセス。制御冷却プロセスとは、圧延後に加速冷却をおこなうことにより鋼材の強度や靭性を高める技術。CLC-μは、従来技術をさらに発展させ、冷却ノズル型式や水量制御方法などの改善により冷却制御性の一段の高度化を図り、材質の造り込みの自由度を格段に高めた新日鉄の独自プロセス。


(お問い合わせ先) 総務部広報センター TEL:03-6867-2135

                             以 上


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