原油タンカー用高耐食性厚鋼板「NSGP-1」の累計出荷量1万トン達成

2010/05/28

 原油タンカー用高耐食性厚鋼板「NSGP®-1」(Nippon Steel Green Protect-1)の累計出荷量が1万トンを超えました。

 本鋼材は、油漏れなどの重大事故につながるおそれのある原油タンカーの貨物タンク底面の腐食を防ぐために、新日鉄が日本郵船と共に世界に先駆けて開発した鋼板です。本鋼材は従来の鋼板に比べ約5倍の耐食性を有しており、腐食防止のための塗装を省略することが出来ることから、船舶の安全性を高めるとともに地球環境に優しい鋼板です。少量の合金を最適に組み合わせることで高い耐食性を実現しているため、鋼材の価格アップは建造時の塗装費用と同等かそれ以下であり、その後の補修塗装も不要なことからランニングコストでは大きなメリットをもたらします。また、溶接や加工を従来の鋼材と全く同様に施すことが可能であり、建造時に特別な施工管理を必要としないことも大きな特長です。

 新日鉄では日本郵船と協力して2004年から開始した2年半にわたる大型タンカー(VLCC)への実船適用試験を経て、2007年から本格受注を開始し、これまでにVLCC6隻分の製造を完了いたしました。一番船は就航後6年を経過しており、その間2回のドック検査を受けましたが、修理を要する腐食は発見されず、良好な性能が確認されております。

 また、先週 ロンドンで開催された国際海事機関(IMO)第87回海上安全委員会(MSC87)で原油タンカーの貨物タンクの腐食防止措置を規定した条約改正が採択され、塗装とともにNSGP®-1を含む耐食鋼が有効な耐食技術として認められました。本決議は産官学連携で国際認知活動を行った成果であり、当社が採取したNSGP®-1の基礎データや実船適用データが大いに寄与いたしました。

 新日鉄は今後とも船舶のより一層の安全性向上と地球環境への貢献に取り組んでまいります。

※「NSGP®-1」の詳細については、本ホームページの2007年6月12日および2008年2月4日のニュースリリースをご覧下さい)。

(お問い合わせ先)
  本件に関して 総務部広報センター       TEL:03-6867-2135
  鋼材に関して 厚板営業部厚板商品技術グループ TEL:03-6867-6401


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