インドネシアにおける自動車用鋼管事業の強化～インドネシア・ニッポン・スチール・パイプの増資・能力増強～

　当社は、これまで、アセアン諸国及びインドにおける自動車用鋼管の需要増に機動的に対応するため、タイにサイアム・ニッポン・スチール・パイプ（Siam Nippon Steel Pipe Co., Ltd／当社出資比率60.5％／1996年1月生産開始／以下SNP）を設立、その後SNPの子会社としてインドネシアを拠点とするインドネシア・ニッポン・スチール・パイプ（PT. Indonesia Nippon Steel Pipe／SNP出資比率 95%／2007年1月生産開始／以下INP）を設立し、両拠点の連携も踏まえた事業体制を構築することで、同地域の日系完成車・部品メーカー各社に対して、高精度・高品質の自動車用鋼管を安定供給してきました。

　今般、INPは、インドネシアにおける経済成長、二輪車の排気ガス規制強化（排気系鋼管のステンレス化）、現地調達化の進展等に伴い、二輪・四輪向け鋼管需要の拡大が見込まれること、及びこれらを背景とした現地日系メーカーからの供給要請を踏まえ、既存工場の隣接地に第二工場を建設し、生産能力を増強することとしました。

　生産能力の増強にあたっては、排気系ステンレス鋼管も含めた高品質な鋼管を供給するため、INPと住友金属工業㈱の子会社である住友鋼管㈱が各々有する高い技術力を組み合わせる体制とします。具体的には、INPが、住友鋼管㈱及び住友商事㈱が出資する新設会社（住友鋼管74.8%、住友商事25.2%　以下、「新設会社」）を引受先とする第三者割当増資を実施します。

　海外での自動車用鋼管事業については、先般、中国華東・華北地区に新たに事業拠点（無錫日鉄汽車配件有限公司）を構築することを決定しています。新日鉄グループは、自動車用鋼管分野において拡大・多様化する需要家各社のニーズに着実に応えながら、グローバルな営業力を強化し、アジア市場の成長力を取り込んでいきます。


（１）ＩＮＰ設備増強の概要
　現工場の隣接地を購入し、ステンレス鋼及び普通鋼兼用の2インチ電縫鋼管造管ラインを備えた第二工場を建設します。
　①生産能力　　　　　：　1,500t/月
　②立上げ時期　　　　：　2010年11月～12月
　③プロパー製造開始　：　2011年4月～
　④投資額　　　　　　：　約13億円

（２）ＩＮＰ増資の概要
　INPが、新設会社を引受先とする第三者割当増資（割当株式数3,100株）を実施します。
　増資後の資本金・出資構成は以下のとおり。
　①資本金　　　：11,600千米ドル　（増資前　8,500千米ドル）
　②出資構成　　：ＳＮＰ 69.6%、トシダ工業㈱ 3.7%、新設会社 26.7%
　　　　　　　　　　　（増資前：ＳＮＰ 95%、トシダ工業 5%）　


＜インドネシア・ニッポン・スチール・パイプの概要＞
1.社　　　名：PT. Indonesia Nippon Steel Pipe　（略称 INP）
2.資 本 金：8,500千米ドル　（増資後：11,600千米ドル）
3.出資構成：ＳＮＰ95%、トシダ工業5%　（増資後：ＳＮＰ69.6%、トシダ工業㈱3.7%、新設会社26.7%）
4.社　　　長：高本　照久（ＳＮＰ社長が兼務）
5.所 在 地：インドネシア西ジャワ州カラワン県チカンペック　ブキット・インダー工業団地内　
（ジャカルタ市内より約６０ｋｍ）
6.営業生産開始：2007年1月
7.生産設備：現工場／電縫鋼管造管設備1ライン、冷牽設備・熱処理炉各2基、切断機5台
　　　　　　第二工場（新設）／電縫鋼管造管設備１ライン
8.生産能力：約2,000㌧／月　（能力増強後：約3,500㌧／月）
9.生産販売品目：自動二輪・四輪向機械構造用鋼管
10.従業員数：約300名（内　日本人6名）　

＜サイアム・ニッポン・スチール・パイプの概要＞
1.社　　　名：Siam Nippon Steel Pipe Co., Ltd. (略称SNP)
2.資 本 金：783百万バーツ（当社出資比率：60.5％）
3.社　　　長：高本　照久
4.所 在 地：タイ　ラヨン県サイアム・イースタン工業団地内
5.営業生産開始：1996年１月
6.生産設備：電縫鋼管造管設備３ライン、冷牽設備５基、熱処理炉4基、二次加工設備等
7.生産能力：約5,500㌧／月（2009年7月第二工場稼働開始）
8.生産販売品目：自動二輪・四輪向機械構造用鋼管
9.従業員数：約1,000名（内　日本人7人）

（お問い合わせ先）　総務部 広報センター　TEL：03-6867-2135