入社式 新入社員へのメッセージ(代表取締役社長 宗岡 正二)

2009/04/01

 新入社員の皆さん、入社おめでとう。皆さんを心から歓迎します。
 今年入社する皆さんは、非常に大きな変化の時期に入社することになりますが、変化に臆することなく、自らの力や可能性を試す絶好のチャンスと捉えて、ぜひ、若者らしい感性とひたむきな情熱で思い切りチャレンジを続けてもらいたいと思います。

 鉄鋼業は非常に大きな変化、困難に直面しています。米国サブプライム問題、リーマン・ブラザースの破綻等をきっかけに、経済全体が、かつてない深刻な世界同時不況に見舞われています。当社も、自動車・家電・建設等各需要分野における実需の激減に加え、ユーザーの在庫調整や買い控えも加わり、過去に例を見ない、急激かつ大幅な受注の減少に直面しています。
 しかし、中長期的には、BRICs諸国を中心に、世界経済は成長に転じ、鉄鋼需要は間違いなく回復に向かいます。そこで、現在の厳しい環境を乗り越えるため、そして、将来の成長に備えるためにも、当社は、「ものづくり」の製造業の原点に立ち帰って、『人』と『設備』と『技術力』を磨き、強い製造現場を持つ会社に生まれ変わる必要があります。
 そのなかでも、最も大切なことは、やはり『人』です。『設備』や『技術力』の維持・向上も、『人』が考え、『人』が手を動かして、初めて達成されるものだからです。皆さんは、今日この日から、一人一人が、新日鉄グループを支える『人』という原動力であるということを、強く心に刻みこんでください。
 会社としても『人』を育てる様々な施策を展開していますが、皆さんには、自分が育てられるという受身の姿勢ではなく、自らが自らを育て、磨くという気持ちを持ち続けてもらいたい。そして、自分が後輩や部下を持った時には、自らが、後輩や部下を『育てる、指導する』立場になるということを忘れないでもらいたい。そうすることで、新日鉄グループの『人を大切にする』というすばらしい伝統、DNAを、皆さん一人一人が、受け継いでいって欲しいと思っています。

 皆さんに対して、以下の2点を社長からのメッセージとして贈りたいと思います。
 第一は、企業理念・経営理念をきちんと頭に刻み込んで頂きたい。当社の経営理念は、「①社会と共生し、社会から信頼されるグループであり続けます。②たゆまず技術の創造と革新に挑戦し、技術で世界をリードします。③変化を先取りし、さらなる進歩を目指して、自らの変革に努めます。④人を育て、人を活かし、活力に溢れるグループを目指します。以上の理念のもと、公正かつ透明な経営を行います。」であります。今後、会社生活の中で、悩ましいことに遭遇した時には、必ずこの理念に立ち戻って、自らの行動を考えて欲しいと思います。
 第二は、継続することの重要さ、です。将棋界のある棋士の言葉を借りれば「才能とは、一瞬のひらめきやきらめきではなく、継続できる情熱だ。」ということであります。これからの会社生活の中では、難しい問題に遭遇し、途中で投げ出したくなることや、諦めたくなることもあるかもしれません。しかしながら、問題から逃避すること、楽になろうとすることによって道が開けることはありません。「石の上にも3年」という言葉もあるように、地道に継続していくこと、そして一歩ずつ前進し、着実に進化していくことの重要さを是非心に留めて実践してもらいたいと思います。継続することの重要性を心に刻んで、これからの会社人生を歩んで欲しいと思います。

 さて、皆さんは本日から社会人としてのスタートをきることになりますが、学生時代と比べると皆さんを取り巻く全ての環境が大きく変化することになります。持てる力を存分に発揮するためにも、健康にはくれぐれも注意をはらって頂きたいと思います。
 そのためには、オンとオフの切り替えをきちんと図ってもらいたい。会社ではスイッチをオンにして、緊張感を持って仕事をマスターし、ベストを尽くして欲しい。会社を一歩出たらスイッチをオフにして、徹底してリフレッシュしてもらいたい。自分で意識してオンとオフを切り替える能力をもつこと、これが心身ともに健康であり続ける秘訣だと思います。

 最後に、皆さんの今後の大いなる活躍を祈念して、私からの歓迎の挨拶と致します。

以 上


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