入社式/社長メッセージ(代表取締役社長 宗岡 正二) 

2008/04/01

 入社、誠におめでとうございます。諸君全員を心から歓迎致します。

 皆さんは、鉄鋼業にとって大きな変化の時期に入社することになります。自らの力や可能性を試す絶好のチャンスであります。若者らしい感性とひたむきな情熱で思い切りチャレンジしてもらいたいと思います。

 新日鉄グループは2002年度以降5期連続の増益、3期連続最高益更新、という業績をあげて参りました。2007年度も経常利益は5600億円となる見通しであります。これは新日鉄の長い歴史の中でも昨年度に次ぐ高い収益レベルであり、金融関係を除くと我が国有数の利益水準であります。

 また、中長期的な視点で今後の世界鉄鋼需要動向を考えますと、BRICsを含めた世界経済全体の成長に伴い、短期の需給変動を乗り越え、世界の鉄鋼需要は増加を継続していく「新しい鉄の時代」へと突入していると私は認識しております。

 しかしながら、一方で、米国サブプライム問題に端を発する足下での景況感の悪化、あるいは資源価格の高騰問題、地球温暖化をはじめとした環境問題等、鉄鋼業を取り巻く環境に不透明感が増しております。特に「資源問題」「環境問題」は今後の我が国鉄鋼業の存立にも係わる大きな課題であり、抜本的な対策が求められているところであります。6期ぶりの減益となった今、一度立ち止まって、足下を見つめ、進むべき方向を再確認しなければならないと思っております。

 これから新日鉄は「持続的成長」とそれに伴う「企業価値向上」を目指して参ります。足下の3500万トン体制を徹底的に鍛えた上で、2つの戦略、つまり質を伴う規模の拡大で「4000万トン+α」体制を構築し、かつ、世界経済の成長を当社の成長に直結させる「グローバル・プレイヤー」戦略を実践に移して参ります。

 「資源問題」「環境問題」を克服し、この2つの戦略を実践していくために、皆さんの知力、体力を大いに期待しているところであります。

 皆さんに対して、以下の2点を社長からのメッセージとして贈りたいと思います。

 第一は、企業理念・経営理念をきちんと頭に刻み込んで頂きたい。当社の経営理念は、「①社会と共生し、社会から信頼されるグループであり続けます。②たゆまず技術の創造と革新に挑戦し、技術で世界をリードします。③変化を先取りし、さらなる進歩を目指して、自らの変革に努めます。④人を育て、人を活かし、活力に溢れるグループを目指します。以上の理念のもと、公正かつ透明な経営を行います。」であります。今後、会社生活の中で、悩ましいことに遭遇した時には、必ずこの理念に立ち戻って、自らの行動を考えて欲しいと思います。

 第二は、継続することの重要さ、です。ある棋士の言葉を借りれば「才能とは、一瞬のひらめきやきらめきではなく、継続できる情熱だ。」ということであります。これからの会社生活の中では、難しい問題に遭遇し、途中で投げ出したくなることや、諦めたくなることもあるかもしれません。しかしながら、問題から逃避すること、楽になろうとすることによって道が開けることはありません。「石の上にも3年」という言葉もあるように、地道に継続していくこと、そして一歩ずつ前進し、着実に進化していくことの重要さを是非心に留めて実践してもらいたいと思います。

 さて、皆さんは本日から社会人としてのスタートをきることになりますが、学生時代と比べると皆さんを取り巻く全ての環境が大きく変化することになります。諸君の持てる力を存分に発揮するためにも、健康にはくれぐれも注意をはらって頂きたいと思います。そのためには、オンとオフの切り替えを覚えていただきたい。会社ではスイッチをオンにして、緊張感を持って仕事をマスターし、ベストを尽くして欲しい。会社を一歩出たらスイッチをオフにして、徹底してリフレッシュしてもらいたい。自分で意識してオンとオフを切り替える能力をもつこと、これが心身ともに健康であり続ける秘訣だと思います。

 最後に、皆さんの今後の大いなる活躍を祈念して、私からの歓迎の挨拶と致します。

(お問い合わせ先) 総務部広報センター TEL:03-3275-5021

                           以 上


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