【G】新日鐵化学グループ (株)シーケムのコールタール蒸留能力およびニードルコークス・ピッチの生産能力増強について

2007/12/11

 新日鐵化学グループのコールケミカル事業の中核会社である株式会社シーケムは、このほど、主力製品の炭素材料「ニードルコークス」および「ピッチ」について、それぞれの生産能力をおよそ2割程度増強することを決定いたしました。
また、炭素材料の主原料となるコールタールについても、鉄鋼生産の拡大にともない調達数量が増加することから、その蒸留設備について、現状の80万トン/年から、世界トップクラスの規模となる90万トンへ増強することを決定いたしました。
 一連の能力増強は2008年から09年にかけて実施し、50億円を超える総投資額を見込んでいます。
 
「ニードルコークス」と「ピッチ」は、世界規模での旺盛な鉄鋼需要を背景に、生産数量が大幅に増加している製鉄電炉用人造黒鉛電極に使用されている材料であり、特に近年では、人造黒鉛電極の大口径化・高級化の進展により、品質要求もさらに高まっています。こうしたなか、高級電極向け素材として、低熱膨張等の優れた特性をもつニードルコークス「商品名:LPC-US」が、世界最高品質との高い評価をいただいており、需要も大幅に拡大しています。これに加え、半導体関連や太陽電池市場の成長にともなって拡大している特殊炭素製品向けコークスや、品質改良が進んだ「ピッチ」についても、需要が大幅に伸びていることから、お客様の要請に応えるために、今般、能力増強を決定したものです。

一方、主原料のコールタールにつきましては、新日本製鐵グループおよび住友金属工業グループ等から、グループ戦略に基づき、安定的に調達していますが、世界的な鉄鋼需要の増大に対応するために、新日本製鐵大分製鐵所をはじめ、相次いでコークス炉が増強されることから、コークス炉から副生されるコールタールの発生量もさらに増加が見込まれています。このタール発生増を背景に、グループタールの付加価値最大化を図るため、タール蒸留能力の拡大ならびに、誘導品である炭素材料の生産能力増強を行うものです。

■能力増強の概要
○ニードルコークス生産能力増強  
 九州工場 10万トン ⇒ 12万トン
○ピッチ生産能力増強       
 広畑工場  6万トン ⇒  8万トン
○コールタール蒸留能力増強         
      80万トン ⇒ 90万トン


■今後の展望
シーケムは、カーボンブラック事業の新日化カーボン株式会社、特殊炭素製品の新日本テクノカーボン株式会社とともに構成する、新日鐵化学グループ「コールケミカル事業」の中核会社であり、電炉用電極向け炭素材料(ニードルコークス・バインダーピッチ・含浸ピッチ)の供給をはじめ、自動車タイヤ向けカーボンブラックや、太陽電池・半導体材料に使用される特殊炭素製品分野への原料供給を通じて、幅広い産業分野を支えています。
シーケムでは、新日鉄のソフトアライアンス戦略に基づき、新日鉄グループ及び住友金属工業グループ等から原料タール供給を受けておりますが、海外における生産拠点の展開も視野に入れるなど、今後とも、新日鉄の世界戦略を踏まえた国際的なアライアンス施策の追求等、更なる事業拡大を目指して参ります。



■会社概要
【株式会社シーケム】
新日本製鐵グループおよび住友金属工業グループの持つ、豊富なタールソースをベースに、国内最大規模のタール蒸留事業を展開している。石炭系ニードルコークスでは世界シェア推定約6割強であり、最高級グレードのニードルコークス「商品名:LPC-US」を平成16年に上市。
設  立:2004年10月
資 本 金:300百万円
    (新日鐵化学㈱ 65% エア・ウォーター㈱ 35%)
本  社:東京都千代田区外神田4丁目14番1号 
     秋葉原UDX13階
工  場:九州、広畑、鹿島
売 上 高:約400億円 (2007年3月期)
事業内容:下記製品の製造・販売
    ・炭素材料(ニードルコークス、ピッチ、
     カーボンブラック原料油等)
    ・タール精製品および誘導品(ナフタリン類、
     無水フタル酸、タールファイン製品等)


※本件に関するお問い合わせ先
株式会社シーケム 管理本部
電話:03-5207-7635


このページの上部へ

ここからフッター情報です