韓国/現代重工業建造の川崎汽船向け大型コンテナ船への高アレスト型降伏応力47キロ高強度厚鋼板の採用

2007/11/27

今回採用された船と同型のコンテナ船

 当社の高アレスト型降伏応力47㌔高強度厚鋼板(以下、YP47㌔鋼)が、韓国最大手の造船会社である現代重工業が建造する大型コンテナ船(川崎汽船㈱発注4500個積み、10隻連続建造)に採用されました。YP47㌔鋼が海外造船会社の建造船に採用されたのは今回が初めてとなります。

 YP47㌔鋼は、コンテナ船の大型化に対応し、三菱重工業㈱と共同開発した、アレスト性(靭性)と強度を両立させた鋼材です。アレスト性の高い鋼板をコンテナ船の強度上の最重要部材であるハッチサイドコーミングとアッパーデッキに使用することにより、溶接部などで潜在的に存在する欠陥から、万一、船体に脆性亀裂が発生した場合でも、同部位で亀裂を停止させることが可能で、船の安全性をより高い次元で実現することが出来ます。また、高強度であることから、薄手・軽量化による船の燃費の向上や、強度を活用した積載個数の増加にも寄与する鋼材です。

 YP47㌔鋼のこのような性能が評価され、昨年、8100個積み大型コンテナ船6隻シリーズ(三菱重工業㈱長崎造船所にて建造。一番船のエム・オー・エル・クリエーションは本年6月に就航済み。)に採用されて以降、今回の大型受注を含め、国内外において既に約30隻のコンテナ船に採用されています。

 当社は造船・エネルギー分野を中心とする需要拡大に対応するため、大分製鐵所厚板製造ラインへの大型投資を始め、高級厚板の能力増強対策を推進していますが、今回の現代重工からの受注はそれに合致したものです。当社は今後も、この設備装備力や先進技術を活かし、高級厚板の需要に対し積極的な対応を行なっていきます。

<用語解説>
1.アレスト性能
 亀裂を停止する能力のこと。亀裂は一旦発生すると、秒速1,000m程度で伝わり、構造物が一瞬で破壊する場合がある。アレスト性の高い鋼材を使用すると構造物の安全性を高めることができる。

2.ハッチサイドコーミングとアッパーデッキ
 何れも大きな力が加わる最重要部材で、今回はハッチサイドコーミングに降伏応力47キロ、アッパーデッキに降伏応力40㌔鋼板を採用しており、何れもアレスト性を付与している。降伏応力47㌔鋼板は三菱重工業と当社で世界で初めて実用化したものであり、エム・オー・エル・クリエーション含め、降伏応力40㌔鋼板へのアレスト性付与も当社のみが実用化している。

(お問い合わせ先)
 総務部広報センター TEL:03-3275-5021 

                 以 上


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