次世代型制御冷却プロセス「CLC-μ」を君津製鐵所厚板工場に導入

2006/05/25

 新日本製鐵株式会社は、次世代型制御冷却プロセス「CLC-μ(ミュー)」を開発し、君津製鐵所の厚板工場に導入しました。昨年3月に完工し、その後の品質確性期間を経て昨年7月より本格稼働しています。
 制御冷却プロセスとは、圧延後、加速冷却を行なうことにより鋼材の強度を高めるプロセスであり、当社は1983年に、他に先駆け冷却前形状矯正と拘束冷却方式を導入した制御冷却プロセス「CLC(Continuous on Line Control Process)」を独自開発し、溶接性に優れた高張力・高靭性鋼などの製造に適用してきました。
 当社の「CLC」は従来より世界最高レベルの冷却速度を有していましたが、新しく導入した「CLC-μ」は従来の技術思想を更に進め、冷却ノズル型式や水量制御方法などの抜本的な変更により、冷却制御性の高度化を図っています。高冷却速度から低冷却速度まで極めて広い範囲で安定した制御が可能であり、冷却後の鋼板内の温度ばらつきを従来と比較して半減するなど、あらゆる温度域において冷却均一性が飛躍的に向上しています。このような冷却制御性の高度化により、板厚方向の硬さの均一化も実現可能となる等、鋼板の金属組織制御が格段に容易となりました。
 当社はこの「CLC-μ」技術と、溶接部の靭性が高いHTUFF®;鋼製造技術等を組み合わせ、構造物の高い安全性と溶接等の施工コストの大幅低減等を実現する高機能商品の開発を進めています。X80クラス以上の高強度においても充分高い変形性能を有するラインパイプ用鋼や、-40℃以下の極寒冷地においてもこれまでにない優れた溶接性と溶接継手靭性を有する海洋構造物用鋼などを開発し、既に1万㌧以上を生産しています。当社は、オンラインでの材質造り込みの自由度を格段に高めた「CLC-μ」を活用し、今後拡大が見込まれるエネルギー関連分野等の高機能商品への対応力を強化していきます。

                             以 上


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