新日鐵と日本下水道事業団、北九州市/北湊浄化センターでバイオマス燃料化実証実験開始

2005/10/06

この度、新日本製鐵株式會社(社長 三村明夫)と、日本下水道事業団(理事長 板倉英則)が共同研究している「バイオマスのエネルギー利用技術の開発」の一環として、H17年10月より福岡県北九州市の協力を得て、同市北湊浄化センターに設置した実験機で同浄化センターのバイオマス(下水汚泥)を造粒・乾燥することにより燃料化し、近接する新日本製鐵㈱八幡製鉄所内の石炭火力発電設備で補助燃料として有効利用する実証実験を行います。

 共同研究期間はH16年9月からH18年3月迄で、下水汚泥を燃料化し、石炭火力発電所において石炭と混焼利用する技術を開発することを目的とし、
1) 汚泥燃料(乾燥造粒物)の取り扱い性、貯蔵安定性
2) 汚泥燃料-石炭混焼時の火力発電所ボイラへの影響
などを確認致します。更に、
3) 汚泥燃料の高品質化(カロリーアップ等)
を図ります。

 下水汚泥燃料化実験装置としては、処理能力20t/日の造粒・乾燥設備を使用します。成品は、3~4mmのペレット状に造粒されておりハンドリング性が良く、含水率が8%程度と低いため臭気も低く抑えられていることと、長期間保存しても発酵等の変質や自然発火の心配がないのが特徴です。また、汚泥が本来有するカロリーを損なうことなく燃料化されており、4,000kcal/kg前後と石炭の約2/3もの熱量を有します。

下水道普及率向上の結果、下水汚泥の発生量は年々増加していますが、現状その大半は脱水後、汚泥専焼炉で焼却後に、埋立処分されています。
本技術は、他の方法に比べ、イニシャルコスト、ランニングコストともに安価な方式により下水汚泥を発電用補助燃料に加工し、汚泥の持つカロリーをロスなく有効利用できる画期的な方法で、自治体には汚泥処理コスト削減のメリットを、電力会社等には燃料購入コスト削減及びCO2削減のメリットを享受いただけます。加えてバイオマス(カーボンニュートラル)を利用した発電としてRPS法の対象となるため、RPSクレジットも獲得いただけます。
この共同研究によりバイオマス(下水汚泥)のエネルギー利用技術を確立し、地球環境保全に貢献していきたいと考えています。
 
お問い合わせ先
新日鉄エンジニアリング(株)広報室 TEL 03-3275-6030
日本下水道事業団技術開発部  山本 TEL 048-421-7302
北九州市建設局水環境課    田中 TEL 093-582-2491


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