新日鉄の「炭素繊維による河川・湖沼浄化技術」、国交省の河川浄化施設で採用

2005/06/02

新日本製鐵株式会社(社長 三村明夫)が独自技術として開発を進めてきた『炭素繊維を用いた河川浄化技術』が、この度国交省/大和川河川事務所発注の河川浄化施設3箇所で採用されました。今後、全国の河川浄化案件、湖沼浄化案件へ本技術の適用を図っていきます。

<技術の概要>
『炭素繊維を用いた河川浄化技術』は、直径7ミクロンの炭素繊維の束を汚濁した水中に浸漬させることで、炭素繊維表面に付着した微生物の働きにより有機物を分解し水質の浄化を図る技術です。
炭素繊維は、従来のプラスチック製ひも状接触材とは比較にならないほど大量の微生物を保持することが可能です。そのため浄化効果も高く、汚泥の発生量も少なくできることが特徴です。
また炭素繊維は生物親和性が非常に良く、炭素繊維重量の100~1,000倍の活性汚泥(微生物)を保持することができます。本技術により、従来に比べ、20~30%の設備費削及びランニングコストの削減が可能となります。
なお、本技術では特殊なバインダーで炭素繊維の束を結合させており、これを水中に浸漬させると、1本1本が開き、特殊な3次元の形状をつくり出します。

<採用箇所の概要> (いずれも奈良県大和川水系/大和川河川事務所発注)
 1) 曽我川河川浄化施設
   ・大規模な河川浄化施設(処理水量:約26万m3/日)で平成12年完成。今回、全20槽のうち、2槽をプラスチック製ひも状接触材から炭素繊維に交換し、1年間の性能調査を行なう。
 2) J樋門浄化施設
   ・ボール状接触材と炭素繊維の組み合わせにより河川を浄化する施設(処理水量:約1千m3/日)
 3) S樋門浄化施設
・上記 2) に同じ                      (処理水量:約2千m3/日)

<これまでの取り組み経緯>
 ・平成11年より技術開発を開始し、道頓堀ほか様々な河川・湖沼で現場実験を行なってきました。
  (炭素繊維の充填率、形状、反応時間、洗浄条件等のエンジニアリングデータ・ノウハウを取得)
 ・平成15年、曽我川浄化施設にて炭素繊維とひも状接触材の比較実験を実施しました。
  (各接触材数本を水槽に浸漬させ微生物の付着量を測定 →結果は、炭素繊維のほうが付着量大)
 


お問い合わせ先 新日鐵エンジニアリング  福永 Tel.03-3275-7264
            


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