「アンボンドブレースの発明と高性能鋼による革新的耐震技術の開発」で市村産業賞受賞

2005/04/25

新日本製鐵株式会社(社長:三村明夫)が開発した「アンボンドブレース」が、「アンボンドブレースの発明と高性能鋼による革新的耐震技術の開発」の件名で、第37回(平成16年度)市村産業賞を受賞いたしました。表彰式は4月28日にホテルオークラで行われます。

【受賞件名】
アンボンドブレースの発明と高性能鋼による革新的耐震技術の開発
【賞名】
第37回市村産業賞 貢献賞
【受賞者】
新日本製鐵株式会社 建築事業部 部長    佐伯英一郎
新日本製鐵株式会社 建築事業部 技術開発グループリーダー  渡辺 厚
東京工業大学    建築物理研究センター長・教授   和田 章

1.開発の背景
従来の耐震設計の考え方は、大地震に対して「人命確保・崩壊防止」が主流であり、建物の塑性化・残留変形などの被害を許容しています。しかしながら首都直下地震での建物被害は数十兆円と言われ、耐震性の高い建物が強く求められています。本技術開発の目的は、特殊な鋼材を使った耐震部材「アンボンドブレース」を建物に組み込むことで地震エネルギーを吸収させ揺れを低減し、地震後の「建物被害の低減・継続使用」を目的としています。

2.開発技術の概要
主要な開発技術は以下の3点です。
① 従来鋼より低く安定した降伏強度かつ塑性域の疲労特性に優れた地震エネルギー吸収用の鋼素材を開発した。
② ①の鋼材を部材の性能として発揮するための特殊な耐震部材「アンボンドブレース」を開発し、安定した地震エネルギー吸収性能を可能とした。
③ ②のアンボンドブレースを建物に組み込むことでアンボンドブレースが地震エネルギー吸収を行い、建物の揺れを低減し、柱梁の損傷を抑える新しい概念の耐震設計法を開発・実用化した。
                     
3.開発技術の特徴と効果
 本開発により建物の「地震被害の低減・継続使用」が可能となり、現在ほとんどの高層鉄骨建物に地震エネルギー吸収部材を使った地震被害低減の考えが採用されています。さらに米国・台湾・中国等への本技術の開示とアンボンドブレースの供給を通じて国際レベルでの耐震技術の向上と普及に貢献しています。

問い合わせ先 
新日鉄エンジニアリング(株)広報室 TEL03-3275-6030


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