余剰汚泥減量化システム「バイオダイエット」を公共下水道分野で実証実験開始

2004/06/16

新日本製鐵株式會社
環境エンジニアリング株式会社

新日本製鐵株式會社(社長 三村明夫)、環境エンジニアリング株式会社(社長 後藤英生)の両社は、共同開発した余剰汚泥発生減量化システム「バイオダイエット」の公共下水道分野での実証実験を但東町(兵庫県出石郡)において開始しました。

 バイオダイエットとは、下水を始めとする有機性廃水の活性汚泥処理の際に発生する余剰汚泥を、無害な酸化剤を主成分とする薬品により酸化分解した後、再度、活性汚泥処理槽に返送し、汚泥の自己消化を促進させることにより、余剰汚泥の発生を大幅に減量化させる技術です。下水処理の場合、余剰汚泥の減量化率は約80%が見込まれす。また、バイオダイエット適用後も処理水質にはほとんど悪影響を及ぼしません。なお、本システムは汚泥酸化処理槽と薬注装置のみから成るシンプルな構成のため設備建設費は低廉であり、新設はもちろん、既設の処理設備にも容易に付加することが可能です。運転費は、脱水、焼却、溶融、コンポスト、埋立処分といった従来の処理・処分法に比べ、安価となります。
 今回の実証試験は、約1年の予定で、データを収集しながら、但東町の但東西浄化センターで排出される汚泥140t/月のうち約80%を削減し、大幅なコスト削減を図るものです。

 下水分野における余剰汚泥の排出量は7,600万ton/年(平成12年度統計、濃縮汚泥ベース)と、全産業廃棄物の20%を占める膨大な量であり、今後の下水道普及率の向上に伴い、更なる増加が見込まれています。かねてより、その資源化、有効利用が試みられてきたものの、その率は6割弱に留まっており、残分は埋立処分されています。しかしながら、有効利用の過半を占めるコンポスト(肥料)としての有効利用も食の安全性への懸念等から減少基調にあり、また、汚泥の埋立処分適地は年々減少しているため、その処分費は高騰しつつあります。このような状況下、余剰汚泥の発生そのものを減少化させる本技術は、汚泥処理・処分に苦慮する自治体にとって、決定打として非常に有意義なものであります。
 既に、本システムは食品、化学、製紙等の民間企業に約30件と、国内トップクラスの納入実績を誇っています。昨年からは農業集落排水協会との共同研究を開始したほか、この分野での自治体からの数件の引合を承っていたものの、公共下水道分野への適用例はまだありませんでした。そこで、本格的に当該分野への営業活動を実施していくことになったものであります。下水処理場数から、このような汚泥の減量化マーケットはトータルで400~500億円程度と両社では捉えており、その内、両社で10億円/年程度の売り上げを目指します。


<連絡先>
新日鉄エンジニアリング(株)広報室 TEL03-3275-6030


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