住友商事株式会社と新日本製鐵株式会社〔日本初〕小型商業用SOFC燃料電池発電システムの共同開発及び事業化に合意

2004/06/02

住友商事株式会社
新日本製鐵株式会社


【概要】
住友商事株式会社(本社:東京都中央区,社長:岡 素之,以下「住友商事」)と新日本製鐵株式会社(本社:東京都千代田区 社長:三村明夫 以下、新日鐵)は、固体酸化物形燃料電池(以下SOFC燃料電池)の来年度からの販売開始に向けて、日本市場向けSOFC燃料電池の共同技術開発に取り組んでいく事で合意致しました。
昨年10月、住友商事は、Acumentrics Corporation(本社米国マサチューセッツ州, CEO:Mr.Gary Mook, 以下「米アキュメントリクス」)とアキュメントリクス・ジャパン㈱(本社:東京都中央区,社長:西村 昇,以下「アキュメントリクス・ジャパン」)を設立しましたが、今般、新日鐵が新たに出資し、日本市場向けSOFC燃料電池の共同技術開発に取り組んで参ります。

アキュメントリクス・ジャパンは、日本初のSOFC燃料電池エンジニアリング法人であり、新日鐵は、小型商業用SOFC発電及びコジェネレーションシステム分野の技術開発を推進するため、同社の技術的事業パートナーとして資本参画致しました。
 
「アキュメントリクス・ジャパン」出資比率
米アキュメントリクス社     50%
住友商事             40%
新日鐵              10%

来年度からの10kW、100kW燃料電池の開発・販売に必要な市場運転データの集積のために、本年から国内数箇所でフィールド試験を実施する予定で、現在5kW SOFC燃料電池を国内で設計・エンジニアリング中です(小型商業用SOFC発電システムの共同開発で住友商事・新日本製鐵、大手家電メーカーで合意しており、八幡製鐵所内において昨年8月より2kW SOFC燃料電池システムの発電運転試験を開始)。

既に米アキュメントリクス社では低コストでの製造方法について目処がついております。アキュメントリクス・ジャパンは、米アキュメントリクス社が保有する燃料電池セル・スタック製造技術以外の全てを対象とし、日本市場に合わせた発電特性、マルチ燃料対応、セル材料の検討比較、熱効率向上、コジェネレーション方式などを開発する技術開発・エンジニアリング会社としての機能を発揮します。

具体的には、今後、米アキュメントリクス社のSOFC燃料電池コア部分を日本の燃料成分・市場要求に合わせ、アキュメントリクス・ジャパン、新日鐵ほか日本メーカーと共同で設計・開発して参ります。

米アキュメントリクス社は、米国市場で都市ガス・LPG燃料によるSOFC燃料電池システムを数十台以上販売している世界で唯一、量産体制を敷くSOFC燃料電池製造メーカーであり、米エネルギー省の(SECA)の認証を得て、9年間で$74百万の補助金を取得しています。

住友商事・新日鐵及びアキュメントリクス・ジャパンは、環境・省エネ性に優れているSOFC発電システムの開発を通じ、地球環境の改善に貢献する新しいエネルギー供給システムの提供を目指します。

【背景】
SOFC燃料電池は、水素イオンではなく酸素イオンで発電する為、多様な燃料に対応可能であり、かつ発電効率・総合熱効率とも、燃料電池自動車や家庭に使われるPEM型燃料電池より高く、コジェネレーションにもより適していると言えます。

小型商業用市場の中で熱に比べて電力使用量が多い顧客(コンビニエンスストア・通信会社等)のみならず、主に熱エネルギーを必要とするホテル・フィットネスクラブ・スーパー銭湯向け等、両タイプの市場に対応が可能なコジェネレーションシステムとして期待されており、日本では、米国に次いで積極的な研究開発が行われてきています。

特にSOFC燃料電池の発電作用をつかさどる電解質は、世界市場のほぼ全量が日本製であり、更に電極となるセラミックス材料もニッケル水素電池で培った日本の材料技術が生かされる分野と期待されます。
このため、住友商事は日本製の先進材料を米アキュメントリクス社に供給開始しており、日米の技術の粋を集めた材料開発も同時に促進し、燃料面では、日本の都市ガス・LPG・灯油など複数の燃料に対応させるエンジニアリングを、共同で実施していく予定です。

新日鐵は電力小売やオンサイトエネルギー供給と言ったエネルギーソリューション事業への展開を進めると共に、製鉄プロセスを利用し、副生ガスから経済性に優れた水素を製造・供給し、来るべき水素社会の構築に向けた取り組みを開始するなど、次世代エネルギーインフラ開発への積極的な貢献を目指しています。固体酸化物形燃料電池の開発は、新日鐵のこうした事業目的にかなうばかりでなく、オンサイト分散電源の普及を通じて、エネルギー有効利用に寄与し、結果的に、人類の喫緊の課題である地球温暖化防止に大きく貢献できると考えております。

住友商事株式会社 
機電事業開発本部 新規事業開発部  
森 kazuaki.mori@sumitomocorp.co.jp
広報部 報道チーム 上田 TEL03-5166-3096

新日鉄エンジニアリング株式会社
広報室 TEL03-3275-6030


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