「環境報告書2003」の発行について

2003/09/11

本年度版は、Sustainable Developmentの観点から、従来の「環境」に加えて「社会性」の報告を加えることとし、報告書全体を、「環境マネジメント」「環境報
告」「社会性報告」の3部構成にしました。また、新日鉄のみならず、国内外と連携した環境経営への取組みも紹介しています。

本年度版の主な特徴は、以下の通りです。

1.環境マネジメント
(1) 全社横断の環境経営委員会(委員長:平尾副社長)を中心に、関係会社(関係会社環境会議)や海外の提携会社(アルセロール、ポスコ)と連携した環境経営のPDCAを推進しています。
(→04ページ)

(2) 資源・エネルギー・環境側面など、各項目毎に全体を俯瞰できるようにしました。(→10~11ページ、等)

(3)2002年度の環境保全コストは、設備投資額190億円、経費は492億円。環境設備投資額は、設備投資総額の約20%、また環境関連研究開発は、研究開発費の16%となりました。環境保全効果は、「環境報告」の各項目において数量や具体的開発事例で示しました。
(→06~07ページ)

 2.環境報告
*「環境報告」については、当社の中期環境経営計画(2003~2005年度)の重点項目に合わせて「地球温暖化対策の推進」「循環型社会構築への参画」「環境リスクマネジメントの推進」「環境・エネルギーソリューションの提供」の4本柱の構成として、当社の環境経営への取組みの全体像が理解しやすいよう工夫しました。

(1) 地球温暖化対策の推進
・当社の省エネルギー目標(2010年度に1990年度比エネルギー消費量を▲10%削減)に対して、2002年度はエネルギー消費量を▲8.8%削減しました(CO2排出量は、2002年度で対1990年度比▲9%削減、当社のCO2排出量は58百万トンと試算)。(→12ページ)
・中長期的な温暖化対策として、水素社会に向けた取組み(コークス炉ガスからの水素製造、水素インフラ実証への参画、水素貯蔵用材料開発)やCO2貯留プロジェクトに参画しています。(→16ページ)
・世界最高水準の省エネ技術を途上国に移転することにより、京都メカニズムのCDMのポテンシャルを期待しています(インド/タタ製鉄等)。(→17ページ)
・世界鉄鋼業のリーダーとして、国際鉄鋼協会(IISI)を通じた抜本的なCO2削減技術開発に取り組んでいます。(→17ページ)

(2) 循環型社会構築への参画
・社内ゼロエミッションの推進については、君津に2基目のRHF設備(回転炉床式還元炉)を設置しダストリサイクルに努めるなど、最終処分量を順調に削減しました(2002年のリサイクル率は98%(1,812/1,855万トン)。2002年度の最終処分量は43.2万トンで、国の廃棄物減量化目標の2005年度中間目標45万トンを達成しました。)(→18~19ページ)
・社会や他産業で発生する副産物である廃プラスチックの再資源化(2002年度のグッドデザイン賞金賞、ウェステック大賞)に加えて、廃タイヤの再資源化(2002年度経済産業大臣賞)等を紹介しました。(→20、22~23ページ)
・従来からの北九州エコタウンに加えて、2003年4月に広畑製鉄所の廃タイヤガスリサイクルが兵庫エコタウンの中核事業に選定されました。
(→24~25ページ)

(3)環境リスクマネジメントの推進
・大分でSOxやNOx等の低減のための焼結廃ガス処理設備の建設、粉塵飛散防止のために原料ヤードに防風ネットを設置しました。(→26ページ)
・焼結施設のダイオキシンは、1997年(自主削減計画基準年)比▲45%削減を行いました(目標▲30%削減)。(→28~29ページ)
・PRTR法に基づく届け出対象物質は23物質で、今回は全社に加え各事業所ごとに、上位3物質の情報を開示しました。(→23、47ページ)

(4)環境・エネルギーソリューションの提供
・鉄鋼製品のLCAの観点も踏まえたエコプロダクツRを、関係会社の成果も含めて紹介しました。(→30~35ページ)
・有害化学物質を含まない燃料タンク用鉛フリー鋼板、クロメートフリー電気亜鉛メッキ鋼板の出荷急拡大
・ごみ処理設備等の対塩酸等の耐食性を飛躍的に向上させた低合金耐食鋼材の開発
・省エネルギーに貢献するハードディスクドライブ(HDD)やハイブリッド車向けの薄手高効率電磁鋼板の開発
・日鐵建材工業(株)の屋上緑化パレット工法(2002年度グッドデザイン賞エコロジーデザイン賞)
・環境ソリューションへの取組み(→36~37ページ)
・土壌汚染対策として、重金属や揮発性有機化合物(VOC)等を少ない環境負荷で迅速、確実に洗浄するコンパクトな新たな土壌浄化システムの開発
・ごみ直接溶融・資源化システムを6件竣工

・エネルギーソリューションへの取組み(→38~39ページ)
・六本木ヒルズ…自家発電による電力供給施設と地域冷暖房施設を組み合わせた「オンサイトエネルギー供給システム」。
・風力発電…北九州市響灘地区で、風力発電事業を開始(約1万世帯の年間電力消費分)。

3.社会性報告
(1) 様々なステークホルダーとの関係として、
・東北大学大学院に新設された「環境科学研究科」の連携講座に当社研究者3名を客員教授・助教授として派遣し、学生への講義と研究指導を担当
・北九州市の小学生の環境学習に当社従業員が出張授業を行うなど、環境面での社会への貢献を紹介しました。(→40ページ)

(2) コンプライアンスとして、リスクマネジメント体制のほか、「企業倫理の徹底に関する社長通達」やコンプライアンス・ガイドラインを通じて、環境面での法令遵守・公正な業務運営を従業員に徹底していることを記載しました。(→44ページ)

4.全体を通じて
(1)報告書に対して、環境NGOである第三者の意見を掲載し、透明度、信頼性の向上と環境コミュニケーションの充実を図りました。(→48ページ)

(2)社内外の意見やトピックスを「鉄学コラム」として紹介しました。この中で、グッドデザイン賞選考委員や、ドイツ人留学生・アルセロール社日本駐在など国内外の方々に登場してもらいました。(→42、25、41ページ)

(3)関連するホームページのURLを記載するとともに、新日鉄のホームページの「環境経営」と一体化した編集を行いました。(→01,13、19、22ページ等々)

(4)表紙については、従来から当社の低環境負荷製品シリーズ「エコプロダクツR」を掲載していますが、本年は、金閣寺に新設された茶室に採用された当社のチタン製屋根としました。(昨年は電磁鋼板の結晶)
(→表紙)

発行部数は1万5千部とし、行政、教育機関、需要家、マスコミ、等の関係先に配付することに加え、当社のホームページを通じて公開します。英語版は10月末を目処に完成の予定です。
*当社ホームページ(「環境経営」)http://www0.nsc.co.jp/kankyou/index.html
            
 (本件に関する問い合わせ先)
新日本製鐵株式会社本社 環境部
丸川グループリーダー  TEL 03-3275-7567
篠上マネジャー     TEL 03-3275-6099


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