名古屋製鐵所におけるコークス炉ガスホルダー爆発事故による生産影響、復旧見通しおよび今後の対応

2003/09/08

 去る9月3日に弊社名古屋製鐵所で発生したコークス炉ガスホルダーの爆発事故により、地域の皆様、お客様および関係会社各位、ならびに監督官庁や関係各方面に多大なご迷惑、ご心配をおかけいたしましたことを、あらためて深くお詫び申し上げます。

 事故の原因につきましては、弊社も全面的に協力させていただきながら所轄官庁による調査が進められている段階であり、現時点で特定はされておりませんが、今後、再発防止に向け徹底した安全確保のための諸対策を講ずることはもとより、全社を挙げて生産復旧に取り組んで参る所存であります。

 まず、今般の事故に伴う人的被害は、当社および関係会社の負傷者が15名、このうち14名は治療の後、同日中に帰宅できました。残る1名の方が現在も入院中でありますが、順調に回復し、数日のうちに退院できる見込みです。

 次に生産設備への影響につきまして、爆発いたしました4万立方メートルのコークス炉ガスホルダーに加え、爆発の影響で隣接するそれぞれ10万立メートルのコークス炉ガスホルダー(事故発生時は定期点検中)および高炉ガスホルダーの合計3基のガスホルダーが使用不能に陥り、その影響により高炉が休風を余儀なくされました。

 また、コークス炉ガスや高炉ガスを燃料に用いている熱延・厚板の加熱炉、連続焼鈍炉、CGL等の工程が、ガス供給の停止により、一時操業停止のやむなきに至った次第であります。但し、ガスホルダー以外の設備に異常は認められず、かつ製鋼、冷延、精整・出荷等の工程に関してはガス供給停止のもとでも操業に支障は生じておりません。

 事故発生直後より全社を挙げて復旧対策に取り組んだ結果、事故発生翌日の9月4日にまずコークス炉より稼働を開始し、これに伴いガス供給が可能となったことから、現時点ではほぼ全てのラインで操業を再開しております。暫くの立ち上げ期間を経て9月末には各ラインとも概ね通常レベルの操業に復帰できるものと想定いたしております。

 ガスホルダーの本格復旧までの間、高炉・コークス炉におけるガス発生の安定化につき重点的に取り組み、併せて所内のガスバランスを慎重に管理しながら主要ラインにおける生産を図って参ります。現時点では9月中旬までに高炉2基稼働体制を再開し、9月末には通常の9割レベルでの操業が可能になると考えております。但し、誠に遺憾ながら、これに至るまでの立ち上げ期間の影響により、9月の出銑数量は58万トンの計画に対し、20~30万トン程度の減産、第3四半期末までに合計約50万トン程度の減産を見込んでおります。

 なお、この度の事故により使用不能となりましたガスホルダーにつきましては、設備・機器メーカー等からも万全のご協力を得つつ、安全対策に万全を期しながら早期修復に全力で取り組んで参ります。

(備考)工場稼働状況
工程 稼働再開日 現在の状況
コークス 9月4日 稼働中(通常生産レベルに復帰)
高炉 9月6日 稼働中(現在1基稼働)
製鋼 9月6日 稼働中(溶銑供給見合いで生産拡大中)
厚板 9月9日予定 稼働準備中
鋼管 9月4日 稼働中
熱延 9月8日 稼働中(8:53~)
冷延 9月4日 稼働中
連続焼鈍 9月6日 稼働中
亜鉛メッキ 9月6日 稼働中(1・5CGL:9/6 23:00~,EGL-9/7 7:00~)
錫メッキ 9月4日 稼働中

 次にお客様および関係会社各位への対応についてご説明申し上げます。足下の鉄鋼マーケットは、中国を始めアジア各地の旺盛な鉄鋼需要を背景に、非常にタイトな需給状況にあります。今回の事故はこのような状況のもとで発生した重大な生産障害であり、お客様および関係会社各位には多大なご心配、ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳なく存じております。

 上記の通り、名古屋製鐵所では9月の出銑が計画を大幅に下回る見通しであり、圧延工程以下の能力を最大限活用するため全社で取り組みを強化いたします。しかしながら、納期を直前に控えた鋼材につきましては、さらに他製鐵所への振替生産、他メーカーへの応援依頼、あるいは納期の調整をお願いするなどあらゆる対策を取っており、お客様および関係会社にご理解とご協力を得られるよう最大限の努力を傾注しているところであります。

 私どもは、名古屋製鐵所の一刻も早い復旧に向け全力を尽くして参りますので、何卒、宜しくご理解を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
                                 以 上
(問い合わせ先)総務部 広報センター 03-3275-5021~5023


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