鋼橋NET研究会の活動状況について

2003/07/03

鋼橋NET研究会
新日本製鐵株式會社
住友金属工業株式会社
瀧上工業株式会社
日本橋梁株式会社

鋼橋NET研究会(代表幹事 太田英美 新日本製鐵(株)取締役鉄構海洋事業部長)は昨年12月設立以来、各社代表者による運営委員会を始め、企画委員会、作業部会(設計製作システム、資材調達、架設、技術開発)を延べ25回開催し、精力的にコスト削減に向けた具体策を議論してきました。
この検討を通じ、現在各社毎に異なる設計・製作・管理システムを新日鉄が開発中のproBridgeをベースとして4社共同でさらなる高度化を進めることにより20%の加工効率の向上(各社平均)を図るとともに、調達情報の共有化による効果も合わせて、2年後には4社合計で年間15億円程度のコスト削減の目処を得ることができました。

具体的には以下の取組みを推進してまいります。

[1] 生産管理システムの開発
一般的に橋梁は構造形式や材質・寸法ならびに製作工期が一件毎に異なることから、同時並行的に工場内で製作するに際して、材料・重機・要員等の製作資源のタイムリーかつ過不足ない投入が製作コストを左右する大きな要因となります。
この資源バランスの最適化を追求することを目的として、製作管理に必要な各種データをデータベース化し、工程計画・作業指示・進捗管理・計画修正のPDCAサイクルで工場全体を一元管理できる生産管理システムを開発することにしました。
このシステムは研究会を通じて各社が共有化する3次元原寸システム(proBridge)からの連動を前提としており、開発着手から1年での完成を目標にしています。

[2] 設計・原寸システム、仮組立て省略システムの共有化
従来別々に行われていた設計情報の作成業務と工場原寸情報作成業務がPro Bridgeの3次元データーベース処理により一元的に行うことが可能となり、設計・原寸業務効率が大幅に向上することになります。
さらに各社におけるデータベース作成業務を集中処理することにより、設計・原寸コストの大幅な削減が可能となります。
将来的にこのシステムをコンサルタントにおける設計図作成に利用することにつながれば、これまで重複していたコンサルタントにおける設計と鋼橋メーカーにおける原寸作業が一元化され、公共事業費の大幅な削減にも寄与するものと考えられます。
また、現在鈑桁橋梁・箱桁橋梁に適用している仮組立て省略システム(pbfantom:新日鐵開発)をその他の橋梁形式にも適用拡大できるようシステムの高度化を進め、仮組みコストの一層の削減を追求します。

[3] 調達情報の共有化
購入品のベンダーリストを共有化し、品質・コストに優れたベンダーの発掘を推進するとともに、可能な範囲でソースの集約化を図り、一層の調達コストの削減を追求していきます。
また、架設関係では外注業者の情報を共有化し、地域別の共有化・集約化の可能性を追求していくとともに、架設機材の相互融通、輸送業務の集約化などによるコスト削減を推進していきます。

(今後の研究会の運営について)
上記のとおり、この半年間の検討作業を通じて「鋼橋生産関連システムの共有化を柱とした会社間連携によるコスト低減」という鋼橋NET研究会の設立理念の実効性に確信を持てるに至りました。
設立からこの半年間、研究会発足時の4社のみで活動を推進してきましたが、上記実績を踏まえ、連携効果を増大させるためにも今後は会員数の拡大を図りたいと考えております。
当研究会はさらに柔軟性に富んだ生産体制の構築も視野に入れ、従来の発想にとらわれない会社の枠を越えた強力なコストダウンを追求していくことにより、ますます厳しさを増す鋼橋マーケット動向に的確に対応してまいります。

以 上


お問い合わせ先 新日鉄エンジニアリング(株)広報室 TEL03-3275-6030


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