インドネシアの大径溶接鋼管反ダンピング調査決定に関するコメント　　（社）日本鉄鋼連盟会長　千速　晃

今般、インドネシア反ダンピング委員会（KADI）が日本製大径溶接鋼管に対して高率の反ダンピング税を賦課するクロ旨の決定を下したことは、不当である。

KADI提訴者のSEAPI社は、日本製大径溶接鋼管の輸入により、現在被害は引き起こされておらずその畏れもないと判断しながらも、当該輸入が原因でインドネシア大径溶接鋼管産業の確立が遅延されたことをもって被害有りと結論付けたの主張を行ってきた。しかし、日本からのインドネシア向け大径溶接鋼管は、同国では製造できない高品質の製品であること、また今般調査の対象期間中日本からの輸入はほとんど無く、インドネシア産業の確立を遅延させていないことは明白である。
日本メ－カ－は、KADIによる調査に全面的に協力し、その被害がいかなる意味でも生じていない旨を繰り返し主張してきたところである。然るに、KADIは、正当な根拠を提示することもないまま、実際にはインドネシアに輸入されていない製品によって「被害」があったとの前代未聞のクロ決定を下したことは誠に不当であり、WTOル－ルに整合しないことは明白である。

こうした決定は、到底容認できるものではなく、日本メ－カ－は、日本政府と事態の打開に向けた措置に関し協議していく所存である。
今後、インドネシア財務省による最終決定に委ねられることになるが、WTOル－ルに沿った公正な判断がなされることを強く希望するところである。



以上