カラークリヤー塗装ステンレス鋼板 冷蔵庫に採用

2002/11/11

新日本製鐵株式会社(社長:千速 晃)と大日本印刷株式会社(社長:北島 義俊)、大日本エリオ株式会社(社長:清水 久敬)が共同開発したカラークリヤー塗装ステンレス鋼板が、三洋電機・東芝・三菱電機の最新型家庭用冷蔵庫の前扉材として採用されました。
三洋電機殿には、昨夏から「クールカーテンシリーズ」に採用頂いておりましたが、この秋発売の新製品にもカラーデザインを一新し、継続採用頂いています。
東芝殿および三菱電機殿には、この秋発売の中~大型(380~470リットルクラス)の新モデルから本格的に採用頂きました。

台所回りの家電製品の外装には白色系を主流とする塗装鋼板あるいはプラスチック類が使用されてきましたが、最近になってIH式炊飯ジャー、電子レンジ、食器洗浄機などの外装にステンレスの地肌を活かしたデザインが登場し、店頭でもよく見掛けるポピュラーなものになっています。これはステンレス鋼がもつ独特の金属光沢とその清潔感、安心感が、家庭の台所用にも好まれるようになったこと、各家電メーカーがデザイン的な差別化指向を強めていることによるものと考えられます。

これらの台所用家電製品の外装に採用されているステンレス鋼は、殆どが、鋼板に予めクリヤー(透明)樹脂を塗装したプレコート鋼板(=クリヤー塗装ステンレス鋼板)です。
クリヤー塗装ステンレス鋼板は、供給各社による改良を経て、現在では、ステンレス鋼独特の金属光沢・清潔感を維持しつつ、指紋が付きにくく汚れが拭き取りやすいなどの特質を備え、プレス等の加工時にも塗膜が傷みにくいものとなっております。

しかしながら、クリヤー塗装ステンレス鋼板を冷蔵庫等大きな製品に適用するにはまだ技術課題が残されておりました。クリヤー塗装にデザイン上淡い色を加えた場合に微妙な色調の調整と均一性の維持が難しいこと、ステンレス素地そのものの均一性が厳しく求められること、材料としての成形加工性要求も厳しいことなどです。これらの課題があったため、従来の適用は炊飯ジャー等の比較的小さなサイズの製品に限られていました。

新日本製鐵と大日本印刷及び大日本エリオは、共同で技術課題の解決に取り組み、素地・着色層の調和した均一な外観の再現性と成形加工性に優れたカラークリヤー塗装ステンレス鋼を開発し、さらに改良を図ってきました。その結果、キッチンの中で最も目立ち、象徴的存在といえる家庭用大型冷蔵庫の前扉に、広く採用されるに至りました。




今回、新たに家庭用の中~大型冷蔵庫扉材に採用されたカラークリヤー塗装ステンレス鋼板の技術上・意匠上のポイントは下記3点です。

(1) 従来の普通鋼塗装鋼板と同一工程・同一金型でプレス加工できるように、素材となるステンレス鋼には、軟質かつ高伸びで普通鋼と同等のプレス成形性を有するクロム系ステンレス鋼(独自開発鋼種;YUSPDX 平成13年11月発表)を適用した。
(2) ステンレス素材の金属光沢を失わない程度に薄い透明色をクリヤー樹脂に配色し、大日本印刷が保有する高いデザイン対応力をフルに活かして明度などの微妙な外観色調要素を調整することで高いデザイン性を実現している。
(3) 面積の大きなパネル面に適用されるクリヤー(透明)塗装金属材料であり、僅かな色調ムラや欠点でも商品価値に大きく影響するため、クリヤー塗装のみならず素材表面(研磨仕上げ)についても通常のステンレス鋼研磨製品とは視点の異なった厳格な造り込みと品質管理を実施し、さらに新日本製鐵及び大日本印刷・大日本エリオの連携をとった一貫での製造・品質管理を図っている。

今後、キッチンの中でずば抜けた存在感をもつ冷蔵庫の外装のステンレス化が進むに伴って、台所回りに限らず家電製品全体の外装のステンレス化が加速されるものと期待しており、様々なご要求に応じたカラークリヤー塗装ステンレス鋼板商品をご提供出来るように努力してまいります。


連絡先  新日本製鐵株式会社 
ステンレス事業部  大村   03-3275-7869
広報センター    菅家   03-3275-5021
大日本印刷株式会社 
建材事業部 由井 049-274-2355
大日本エリオ株式会社 
商品開発部 山本  046-285-7752






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