世界初 自動車用サイドパネルに40キロ・45キロ級高張力鋼板採用

2002/10/15

新日本製鐵株式会社(社長:千速 晃)の高張力鋼板(ハイテン)が、本日発表されたダイハツ工業株式会社殿(社長:山田 隆哉)の軽乗用車「ムーヴ」に採用されました。
サイドアウターには当社開発の40キロ級(390MPa)ハイテンが、またロッカーアウターには45キロ級(440Mpa)ハイテンが使用されております。

従来、サイドアウターやロッカーアウター(総称してサイドパネル)には、高い加工性が求められるため、28キロ級(270MPa)以下の軟鋼が大半で、当該部位に採用される最高強度の鋼材は、当社材ほか日本鉄鋼メーカーによる35キロ級(340MPa)ハイテンでした。
自動車業界では、衝突安全性を確保しつつ軽量化による燃費改善を図っておりますが、サイドパネルのハイテン化による補強部品(リインフォース)削減の効果が最も大きいため、当社では、ダイハツ殿における新車構想段階から、35キロ級を超える材料での対応を検討してきました。
今回のハイテンの採用による補強部品の削減で、「ムーヴ」は約10kgのサイドパネル重量低減を達成しております。

今回の新ハイテン開発の技術的なポイントは、
[1] プレス加工時の面ひずみ(*1)発生を抑制するため、降伏点を低く抑える。
[2] 高い延性と深絞り性を具備しながら強度を確保する。
ことであり、その実現のために、極低炭素鋼をベースとし、固溶強化元素(*2)の種類と添加量の最適化を実施し、併せて熱間圧延、冷間圧延及び焼鈍時の適正な製造条件の確立を図っております。

また、「ムーヴ」にはテーラードブランクが多数採用されており、溶接部強度確保が重要なポイントとなっておりますが、当社の溶接部強度アップ加工技術および溶接用60キロ(590MPa)ハイテン等が採用され、衝突安全性を確保と軽量化の両立の実現に寄与しております。

以上

*1面ひずみ:成形されたパネル面の微少なひずみ(凹凸)
 *2固溶強化元素:Si,Mn,Pなど鋼板の結晶中に固溶し、強度を増加する元素。

連絡先 広報センター 菅家 03-3275-5021


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