コークス炉による廃プラスチックリサイクルが「2002年度グッドデザイン賞大賞候補」にノミネート

2002/10/01

 このたび新日本製鐵株式会社(社長:千速 晃)の「コークス炉による廃プラスチックリサイクル」が、財団法人日本産業デザイン振興会(会長;山口 信夫)主催の「2002年度グッドデザイン賞」において、2200点の応募の中から金賞〈経済産業大臣賞 14点〉を受賞するとともに、本年度の最も優れたデザインに贈られるグランプリ「グッドデザイン大賞」候補にノミネートされました。大賞は候補6点の中から、10月30日にホテルイースト21東京において開催される公開審査によって決定されます。

 今回の受賞は「今日のゴミは明日の資源。大切な資源を未来に残す」という理念のもとに、「動脈産業の既存のインフラを使って静脈産業(リサイクル産業)を発展させる(動脈産業と静脈産業の一体化)」という、21世紀型の新たな社会システムのデザインに挑戦したことが評価されたものです。
 コークス炉による廃プラスチックリサイクル技術(コークス炉化学原料化法)は、これまでリサイクルできずにゴミとして焼却されてきた家庭用廃プラスチックを、既存の鉄鋼生産設備であるコークス炉を利用することによって、プラスチック製品の原料となる油、発電用の水素系クリーンエネルギーおよび製鉄原料(コークス)として100%リサイクルするものです。   
 これは、従来のマテリアルリサイクルでは実現できなかったバージンプラスチックへ戻す世界で初めての技術であり、廃プラスチックを高温で乾留するため、有害物質の残留もなく、安全性と品質に優れています。現在、当社は4つの製鉄所(室蘭,君津,名古屋,八幡)で、全国の家庭から排出される廃プラスチックを受け入れ、リサイクルを行っています。
 今後は国内はもとより、世界各国に対しても同技術の技術輸出を行うことも視野に入れながら、更なる環境ソリューションを提供することによって、新しい社会システムの実現に貢献していく考えです。

<参考>
1.廃プラスチック再資源化プロジェクト
[1]処理規模;約12万トン/年 君津製鉄所,名古屋製鉄所 各4万トン/年(2000年秋稼動)室蘭製鉄所,八幡製鉄所 各2万トン/年(2002年春稼動)
[2]対象物;集荷の制度が整っている「容器包装リサイクル法」(2000年4月より完全施行)に基づく家庭用廃プラスチック(約500万トン/年)
[3]設備概要;製鉄所内に異物除去、破砕機、塩ビ分離機、減容成形機等からなる事前処理設備及びコークス炉への装入設備を設置。

2.グッドデザイン賞
[1]1957年に通商産業省によって設立された「グッドデザイン選定制度」を継承し1998年に日本産業デザイン振興会の主催事業として新たにスタートした総合的なデザイン評価制度。

[2]グッドデザイン金賞及び大賞とは
 金賞:グッドデザイン賞を受賞したものの中から、特に優れたものに対して授与(本年14点)
 大賞:今年度最も優れたデザイン1点に対して授与。デザインのみならず、今日のデザインや将来に向けての展望を広く社会へ向けて語る「顔」の役割を担う。

[3]審査団;第一線で活躍するデザイナー、建築家等63名で構成。本年度委員長は日本を代表するインダストリアルデザイナー川崎和男氏(名古屋市立大学院教授、医学博士)。
以上

(本件に関する問い合わせ先)
新日本製鐵株式会社本社
環境部     丸川グループリーダー TEL 03-3275-7567
広報センター 中井マネジャー     TEL 03-3275-5022


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