「高吸熱性鋼板」の開発

2002/07/02

新日本製鐵株式会社(社長:千速 晃)は、吸熱性に優れ、電気機器内部の熱を効率良く外部に放出することができる「高吸熱性鋼板」を開発致しました。
 
電気機器の高性能化・高速化・コンパクト化に伴い、機器内部の熱発生による温度上昇を防ぐため、熱をいかに外部に放出するかが重要になっています。通常、電機メーカーでは、熱放出のためファンを装着するなどの対策を講じておりますが、一方で、筐体を通して内部の熱を外部に放出することが強く求められておりました。

新日鉄は、筐体内面に熱吸収に優れた有機被膜を施すことで外部に放熱するという考え方で開発を進めてきましたが、筐体内面に施す有機被膜には一方で溶接性確保のための導電性も求められ、性質上両立しにくい吸熱性と導電性とを両立させた有機被膜の開発がポイントとなっておりました。

新日鉄は今回、吸熱性と導電性を高次に両立した特殊有機被膜を開発・採用したことで「高吸熱性鋼板」の開発に成功しました。当社が行った、筐体内部を一定電力(10W)のヒーターで熱し続ける温度測定実験によると、従来の亜鉛めっき鋼板では内部温度が75℃まで昇温するのに対して、「高吸熱性鋼板」では65℃程度に止まることが確認されております。

「高吸熱性鋼板」は、亜鉛めっき鋼板に吸熱被膜のみ施したものとしてもご利用いただけますが、現在、電機を中心に広くご使用いただいている新日鉄の塗装鋼板「ビューコート」の内面被膜としても適用が可能であるため、「ビューコート」の意匠性・経済性等はそのままに、吸熱性をも付加した高機能鋼板として、広く受け入れられることを期待しております。

「高吸熱性鋼板」は、特許を申請中ですが、既に多くの需要家に対しサンプル提供を実施し高評価を頂いており、本年以降の着実な採用拡大を見込んでいます。

問い合わせ先: 広報センター 菅家 03-3275-5021

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