新日本製鐵株式會社(新日鉄、社長:千速 晃)は三菱商事株式会社(三菱商事、社長:佐々木 幹夫)とともに、世界最大のチタン溶接管メーカーであるフランスのバルタイメット社(VALTIMET、本社:パリ、Chairman & CEO:Alain Honnart)傘下のグループ会社へ出資参加し、チタン溶接管事業について連携をさらに強化することと致しました。
- I.出資および連携強化の内容
- バリノックスアジア社への出資参加
新日鉄と三菱商事は、バルタイメット社のグループ企業で、アジア地域向け投資会社であるバリノックスアジア社(VALINOX ASIA、本社:仏/パリ)の株式をそれぞれ12.25%ずつ取得し、経営に参画することを本年2月に決定致しました。 - 中国でのチタン溶接管の製造委託
新日鉄は、バリノックスアジア社の100%子会社である中国の常州バリノックス社(CHANZHOU VALINOX GREAT WALL)にチタン溶接管の製造を委託します。新日鉄は委託製造品の品質管理体制をすでに整備しており、同社の製造による新日鉄ブランドのチタン溶接管を本年夏より販売するため、本格的な営業を開始しております。 - 溶接管用素材の長期供給契約の締結
(1) | 新日鉄とバルタイメット社は新たにチタン管用素材の長期供給契約を締結し、三菱商事を通じて常州バリノックスを含めたバルタイメット社傘下の各工場へチタンフープを安定的に供給することになりました。 | (2) | バルタイメット社はすでに韓国のチタン管製造メーカーである豊山(プンサン、POONGSAN 本社:ソウル、Chairman & CEO:柳 津)と新日鉄からのチタン素材の共同購入契約を締結しており、新日鉄は豊山に対しても長期供給契約にもとづきチタンフープを供給いたします。 |
バリノックスアジア社は、中長期的に電力需要の伸長と発電所の新設が見込まれる中国市場へ復水器用チタン管や給水配管用ステンレス管を供給するねらいで、1996年に設立されました。
- II.連携強化のねらい
この連携によりバリノックス社はチタン管用素材の安定供給の確保、常州バリノックスの経営の安定強化を期待しておりますが、新日鉄としても、
- チタン溶接管への市場ニーズへの対応力強化
発電所、海水淡水化プラント等のプロジェクト規模の大型化、集中化に対応できる数量面、コスト面での対応力強化 - チタン管素材の販売先の安定確保
従来のバルタイメット社のフランス工場向けに加え、アジア地域でのチタン冷延材供給における圧倒的な地位の確保
等が実現できるものと期待しております。
新日鉄は、常州バリノックスでの委託品についても当社での生産品と同等の品質とサービスを提供できるように万全を期し、この度、体制が整いましたので、お客様のご理解とご支援をお願いし積極的な営業を開始いたしました。新日鉄は、今回の連携強化を活用し、ますます活発化しているチタン管への市場ニーズに積極的に対応してまいります。
以上
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