名古屋製鐵所コークス炉事故に対する取り組みについて

2014/09/05

新日鐵住金株式会社


名古屋製鐵所コークス炉事故に対する取り組みについて

本年9月3日(水)に名古屋製鐵所No.1コークス炉の石炭塔で発生した事故につきまして、近隣住民の皆様をはじめ関係各位に多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことに改めて深くお詫び申し上げます。また負傷された方々に心よりお詫びとお見舞いを申し上げます。


1.事故の経緯

・9月3日10時30分頃、名古屋製鐵所No.1コークス炉の石炭塔(コークスの原料である石炭をコークス炉に供給するために地上から石炭を送り込み、一時的に貯留する設備)の内部において、温度の上昇とCO(一酸化炭素)濃度の上昇を検知。
・オペレータが現場を点検。石炭塔内の、水分の少ない石炭の貯留されたホッパーから白煙の発生を確認。
・同日11時30分頃、公設消防および自衛消防により石炭塔の内部を点検し、炎の発生はなく、煙のみの発生であることを確認。
・その後、石炭塔内には煙が充満していたため、ホッパーへの直接散水は実施せず、発煙している石炭をホッパーから払い出し。その作業の過程で、12時35分頃、異常燃焼が発生。

2.事故の原因について

今回の事故の原因につきましては、現在のところ、No.1コークス炉石炭塔内ホッパーに水分の少ない石炭が長時間滞留し、石炭の一部が発熱したこと、また、石炭の発熱によりホッパーに可燃性のガスが発生したこと、更に、石炭塔ホッパーから石炭を払い出す際に空気がホッパーに流れ込んだことで、異常燃焼に至ったと認識しております。
引き続き、関係当局とも連携の上、今回設置した「コークス事故対策委員会(後述)」を通じて、究明して参ります。

3.事故対策体制について

 今回の事故に対して、迅速な情報共有化とトップマネジメントによる対応を図るために、コークス炉事故の緊急対応を目的として、社長を本部長とする危機管理本部会議を9月3日以降、連日実施しております。
加えて、全社を挙げて迅速かつ必要な対応を行うため、危機管理本部の下に、「コークス事故対策委員会」を9月4日(木)に設置しております。本委員会には、社外有識者にも参画頂く予定であり、その検討・人選を進めております。

4.今後の対応について

名古屋製鐵所にはコークス炉が5基(内No.3コークス炉は休止中)あり、No.1コークス炉での事故発生後、安全確保のため、No.2・No.4・No.5コークス炉の操業を停止致しました。
上記のように、水分の少ない石炭が長時間滞留したことが今回の事故の発端と判断しており、No.1コークス炉と同種のNo.2・No.4コークス炉については、水分の少ない石炭の使用を中止し、長時間滞留しても発熱しない水分の多い石炭に切り替えることとします。(No.5コークス炉については設備構造が異なり、空気が流入しない構造となっております。)
この対応について、9月4日に当社から関係する規制行政当局に説明し、事故を起こしていないNo.2・No.4・No.5コークス炉については操業再開の了解をいただきました。
No.2・No.4・No.5コークス炉については、安全を慎重に確認後、本日以降の操業再開に向けて取り組んで参ります。並行して地域住民の皆様への説明を速やかに実施して参ります。その後、高炉、製鋼等の他の設備につきましても順次、稼働再開に取り組んで参ります。
他方、事故が発生したNo.1コークス炉については操業休止を継続し、徹底した原因究明及び再発防止を図って参ります。

5.一連の事故の背景にある業務運営課題の認識および対応

当社と致しましては、名古屋製鐵所における業務運営の課題についても引き続き検討し、その対処にも全力を傾注して参ります。製鉄所のマネジメントの根幹である、仕事の仕方、組織・人材育成のあり方等について総点検し、長期的視点も含めて、必要な対策を実施致します。具体的には、製鐵所の操業部門および整備部門の業務分担、製造現場およびスタッフ部門の業務連携、電気・エネルギー技術者の配置・育成、ならびにリスク管理等のあり方について、全社を挙げて検討して参ります。

    (お問い合わせ先)本社広報センター TEL:03-6867-2146.2977.5807
               名古屋製鐵所総務部人事総務室 TEL:052-603-7024

以上



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