技術開発
素材としての可能性を極限まで引き出すこと、
すなわち「鉄を極める」という目標に向け、私たちは挑戦し続けています
高圧の天然ガスパイプラインでは、万一破壊が起こった場合に、大規模な災害を引き起こす可能性があります。そのため、高圧の天然ガスパイプライン用には、安全性確保のために、特に高性能、高品質鋼管の採用が必要です。製鋼プロセスにおける高清浄度化(不純物の低減)や、熱間圧延時の制御圧延(※1)の適用等により、高強度、高靭性を達成し、一貫品質管理で高品質を確保しています。
高強度ラインパイプの高圧操業下における安全性を評価するため、当社では、外径20インチ(508mm)以上の大径鋼管に対応可能な、国内唯一のバースト試験設備を保有しています。水圧バースト試験並びにガスバースト試験の実施を通して、十分に高い安全性を有する、高強度大径溶接鋼管の開発に大きく貢献しています。
大径鋼管のバースト試験専用の設備を有しているのは、国内では当社のみです。
水を鋼管内に充填し、水圧で破壊を行うことで、開発した鋼管が、設計に定められている強度を有しているかどうかを直接確認できます。その他、破壊の起点および破壊に至るまでの変形性能の調査に適用されます。高強度鋼管の開発段階で繰り返し試験を実施し、その性能を評価することで、材料開発、製造条件の適正化に貢献しています。
ガス(通常は窒素ガスを使用)を鋼管内に充填し、ガス圧で破壊を行うことで、実際の天然ガスパイプラインで内圧の掛かった状況を模擬し、破壊発生後の「き裂伝播挙動(※4)」を調査します。き裂伝播シミュレーション技術の高精度化を通して、き裂伝播の停止に必要な鋼管性能を明らかにすることで、安全な鋼管の開発に貢献しています。