4.内面腐食 - 孔食,すきま腐食

孔食は、局部的に金属表面の被膜が破壊されることにより生じます。Cl-存在下での鉄の孔食について、その状況を次図に示します。

孔食の発生機構

孔食発生部では、Fe2+のイオン濃度が増大します。(Fe2+の拡散速度が遅いため)そして孔食内部の電気的中性を保つために溶液内の陰イオン(Cl-など)が泳動します。そしてCl-が孔食部内で濃化します。Cl-はFeの活性溶解を促進し被膜修復を困難にしますので、孔食速度はますます増大します。このようなことから孔食は、自己触媒反応といえるでしょう。
孔食の発生場所は、例えば表面性状の不均一な部分(カキ傷,ピット傷)あるいは析出物,介在物の周辺部が一般的で、端的に言えば金属表面の不均一部で起こりやすいのです。
孔食が起こりやすいのは、次のような条件といえます。

  • 中性~アルカリ性環境で、被膜を破壊するハロゲンイオンが存在(NaCl等)
  • 強アルカリ性環境(pH13以上)

E すきま腐食

すきま腐食は、次図のようなメカニズムで発生します。

すきま腐食の発生機構

すきま部は、孔食部と同様に、Cl-濃化となり腐食が促進されます。

おすすめコーナー
内面腐食に対しては、日本製鉄のSGP、SGPW、STPG SUPER SEAM、FLP、VLPをおすすめします。
ただし、用途について「当該製品の用途」をご確認いただいてから、製品を選定して下さるようお願いします。

おことわり

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