1.腐食の概念

腐食とは、金属体がそのおかれている環境と科学的あるいは電気化学的反応によって表面から消耗する現象を総称します。
環境あるいは、作用機構や発生形態により種々に分類されますが、乾食と湿食に大別でき、乾食は、ガスによる化学的反応で進行するのに対して、湿食は、水の存在下における金属のイオン化から始まる現象です。湿食(イオン化して、水や土の中へ溶解する電気化学作用)は、さらに自然腐食と電食とに分けられますが地中の腐食は、土に含まれている水分が金属に作用して起こる現象ですから、根本的には水中腐食と同様です。
腐食は発生形態からみて、全面腐食と局部腐食に大別され、局部腐食はさらに点食,孔食,溝状腐食,隙間腐食等に分けられます。湿食は、また原因別には通気差電池,塩類濃淡電池,温度差電池,自然地電流や生物(バクテリアなど)による作用、異種金属の接触、迷走電流による電食など多種多様です。
一般的な局部電池作用(自然腐食)による腐食は、次図のとおり腐食電流に伴い陽極部の鉄分がイオンとなって溶出し、水中あるいは土壌中の水酸イオン(OH)と結びついてFe(OH)2となり、さらに酸素の作用を受けて不溶性の錆Fe(OH)3となるもので水と酸素が共存する限り進行します。

陽極部

Fe→Fe2++2e
Fe2++2OH-→Fe(OH)2
2Fe(OH)2+1/2O2+H2O→2Fe(OH)3

陰極部

2H++2e→H2(水溶液が酸性の場合)
1/2O2+H2O+2e→2OH-(水溶液が中性、アルカリ性の場合)

おことわり

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