PERSONTechnology
この研究開発はすべて
「世界初」につながる。
安富 隆Takashi Yasutomi
職種
研究
鉄鋼研究所 材料ソリューション研究部(2013年入社)
主任研究員
材料
私は入社以来、自動車向けの高機能な鉄鋼材料の研究開発に取り組んでいます。昨今、自動車業界ではCO2排出量削減のために車体の軽量化が図られており、当社はそのニーズに応えるため、引張強度が強く薄肉化が可能な“ハイテン”という鋼板を開発提供しています。このハイテンをさらに進化させていくことが私のミッション。一般的に、鋼材は強度を上げると延性が低下するため、自動車の部品に成形加工することが難しくなります。この二律背反をクリアする新たな鋼材を生み出すとともに、その性能を最大限に引き出して部品の形状にするための加工や成形の技術も確立していく。技術者として挑戦しがいのあるこの難題に日々立ち向かっています。
鋼材は、鉄に合金元素を混ぜることで強度が上がります。その最適な組成を研究する一方、新たなアプローチで強度クラスを上げると、成形加工の際に予期せぬ現象が現れ、これまでの知見がまったく通用しなくなることも。そんな事態に直面した時、最新の観察技術とシミュレーション技術を駆使してその現象を解き明かし、新たな仮説を立てて検証を重ね、問題の本質に辿り着いた時はとても興奮します。我々が挑んでいるのは、まだ世の中にない鋼材を作り出すことであり、すべての研究開発が「世界初」に結びつく。私も以前、世界最高の強度クラスとなるハイテンの開発に携わり、それが実用化されて業界で話題となった時は大きな喜びがありました。
日本製鉄はアカデミックな基礎研究を大切にし、根本から真理を追究する風土があります。だからこそ、他に先駆けて新たな材料を次々と送り出すことができる。そして、自分の研究開発の成果が、身近な製品に反映されて世の中に広まり、社会課題の解決にもつながっていく。それが当社で研究開発に携わる大きな醍醐味です。自動車業界はいま、大きな変革の時を迎えています。電動化や自動運転化がいっそう進むと、自動車の鋼材に求められる特性も変わっていく。従来の延長線上ではなく、まったく新しい発想でニーズの変化に応える材料を創り出し、当社から積極的に技術を発信することで、未来のモビリティをリードしていきたいと思っています。
学生時代に学んでいたことは?
加工や熱処理を施すことで特性が変化する「金属」の持つ可能性に興味を覚え、材料工学を専攻しました。具体的には、マグネシウム合金を引っ張った時に生じる振動をセンサーで検知し、その波形を解析して金属内で起きる現象を研究。それがとても面白く、学生時代は研究活動に没頭していました。
入社の決め手は?
学生時代の専攻を活かし、社会の基盤を支える材料の研究開発がしたいと鉄鋼業界の企業を志望。なかでも日本製鉄は、仕事内容を誇らしく語る先輩社員が多く、社会に大きな影響を与える仕事ができると考えて入社を決意しました。
現在の仕事内容は?
自動車用のハイテン(高張力鋼)の研究開発に携わっています。高強度で高延性の新たな鋼材を開発し、その加工技術もあわせて確立。その研究開発の成果を実用化するとともに、学会でも発表してPRしています。
職場環境の特徴は?
教育制度が非常に充実しており、社内外のセミナーにも自発的に参加できる環境です。また、自己啓発のための留学制度も整えられており、私もいま大阪大学の博士課程に入って研究活動に取り組んでいます。
Technology
Yoshinori Imai
操業技術 「機械系」卒
Hiroko Maita
操業技術 「機械系」卒
Masashi Oikawa
操業技術 「材料系」卒
Takuya Matsumoto
品質管理 「材料系」卒
Tatsuya Murakami
設備技術 「機械系」卒
Shuhei Tanijima
設備技術 「電気系」卒
Takashi Yasutomi
研究 「材料系」卒
Ayaka Miura
研究 「化学系」卒
Koji Hirano
研究 「物理系」卒
Shu Yamaki
研究 「応用化学系」卒