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ユーザーボイス

スズキ株式会社
二輪事業本部 二輪営業・商品部チーフエンジニア大西 文弘

「スポーツバイク」
乗りやすさを追求するテクノロジー

スズキ株式会社
二輪事業本部 二輪営業・商品部チーフエンジニア 大西 文弘 氏 (Fumihiro Onishi)

レースで培われた技術をフィードバック

2020年 FIM(国際モーターサイクリズム連盟)ロードレース世界選手権 MotoGPクラスで頂点に立ったバイクは、スズキ GSX-RRでした。 MotoGPチャンピオンマシン GSX-RRで培われた技術は市販車に投入され、 GSX-R1000Rにも活かされています。このようにスズキ(株)の二輪車を代表する GSX-Rシリーズは、 1985年の初代 GSX-R750発売以来、レース活動で培われた最新テクノロジーをフィードバックしてモデルチェンジを重ね、高性能スポーツバイクとして幅広いスキルのライダーに人気を博しています。



「我々は通勤や通学、配送などの街乗りから、ツーリングやサーキット走行まで、さまざまな走行シーンやライダーの好み、スキルに対応し、多くのお客様にバイクの楽しさをご提供するため、運転のしやすい二輪車の設計・開発を心がけています。そのためには走る、曲がる、止まるの基本性能の向上が欠かせません。GSX-Rシリーズにおいてもマフラーの重量が軽減されると車体の軽量化、マス(重量)の集中につながります。燃費改善は言うまでもなく、加速や減速(ブレーキ)、コーナリングの性能が高まります。そこでマフラーには日本製鉄の耐熱チタン合金(Super-TIX ®10CU)や意匠性チタンを採用していま す」(スズキ・大西文弘チーフエンジニア)

マフラーの軽量化とデザイン性の向上

GSX-Rシリーズのマフラーのモデルチェンジの変遷を見ると、初期モデルは容量を大きくするために円筒形状で、後部を跳ね上げ精悍(せいかん)さを表現するデザインを採用し、外筒をアルミニウム、内部にチタンを使用していました。それ2005年モデルからコーナーを曲がる際にマフラーが接地しにくい形状に変え、一部の年次モデルを除き、外筒にもチタンを採用しています。
「アルミニウムは鉄系のステンレスに比べて軽いのですが、マフラーの強度を高めようとすると、どうしても高温時の強度が課題として残ります。また、異種金属接合が難しいという課題もありました。そこでマフラーの素材を、アルミニウムの3倍(重さ当たり)の強度を持つチタンにすべて置き換えることによって、軽量化を実現しました。 2005年モデルでは、さらにマフラー全体を研磨したあと、ショットブラスト加工を施し、ロゴを入れました。これはチタンを活かしたデザインでした」(スズキ・稲山佳里係長)使っていくうち熱により変色し、美しい焼色がつくことも、チタンマフラーの魅力の1つ。美しい外観と耐汚性(たいおせい)を両立したチタンマフラーは、多くのライダーの憧れの的になっています。

ものづくりの DNA「小少軽短美」


スズキ(株)二輪事業本部
二輪技術部 エンジン設計グループ係長
稲山 佳里氏


2005年モデル・チタンマフラー

スズキは 2020年に創立 100周年を迎え、次の 100年も社会に貢献し続けるため、「小少軽短美(しょうしょうけいたんび) 」という創業以来のものづくりの考え方を掲げています。ユーザーへ提供する価値を最大にすると同時に、可能な限り「小さく」、部品などを「少なく」、重さを「軽く」、費やす時間や距離を「短く」、また「美しく」するというものづくりへの思いが込められています。
「二輪車に限りませんが、小さく、軽くつくることで資源を節約し、環境負荷も低減できます。価格も下げることができるので、より多くのお客様に製品を届けることができるようになります。高齢化社会を迎えたなか、乗りやすさはますます重要になると考えています。これからもスズキのものづくりの DNAを継承していきます」(大西チーフエンジニア)
現在、エンジン設計を担当している稲山係長は、いつか理想のマフラーを設計したいと夢を語ります。「良い音を演出するためには、完全に音を消す技術が究極のものだと思っています。学生時代からその技術開発の夢を持ち、マフラー設計を希望して入社したので、いつかは実現したい夢です」 スズキのエンジニアたちは情熱を余すところなく注ぎ込み、「小少軽短美」を追求した、より乗りやすい二輪車の開発を目指しています。その情熱と技術をこれからも日本製鉄のチタン製品が支えていきます。

エンジン吸気バルブに高強度チタン合金を採用


高強度チタン合金のエンジン吸気バルブ

空を飛ぶハヤブサが獲物をとらえるために急降下するとき、そのスピードは時速300キロを超えることから命名されたスズキのHAYABUSA(ハヤブサ)。
1999年発売の初代モデルは、市販の二輪車では世界で最初に時速300キロを超えたモデルとして知られています。

2度のフルモデルチェンジを経て、2021年3代目の新型モデルが誕生しました。「アルティメットスポーツ」(公道における究極のスポーツバイク)というコンセプトのもと、より一層の乗りやすさを追求。信頼性や耐久性が求められるエンジン吸気バルブには日本製鉄独自の高強度チタン合金(Super-TIX®523AFM)が採用され、パワーあふれる快適な走りを実現しています。



GSX1300Rハヤブサ


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