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ユーザーボイス

株式会社スノーピーク
執行役員 未来開発本部長吉野 真紀夫

「楽しく、おしゃれに」
先端素材がアウトドアレジャー
を彩る

株式会社スノーピーク
執行役員 未来開発本部長 吉野 真紀夫 氏 (Makio Yoshino)


私たちの暮らしを豊かにするアウトドアレジャーの領域で、チタン活用がますます広がっています。日本製鉄のチタン製品が使われているウォーターボトルの商品開発の世界を取材しました。

「ウォーターボトル」スタイリッシュな野遊びのテクノロジー



スノーピークのチタン製ウォーターボトル「オーロラボトル 800」
カラーは全部で 5色。TranTixxiiならではの美しい発色が魅力の 1つとなっています。

自らが欲しいと思える道具をデザインする


提供:株式会社スノーピーク

2020年の流行語大賞でソロキャンプがノミネートされるほど、ここ数年キャンプブームが続いています。休日のキャンプ場は家族連れや若者たちでにぎわい、屋外で都会の夜景を眺めながらひとときを過ごす都市型グランピング(※)も大人たちのおしゃれな遊びとして人気を集めています。またコロナ禍では、外出を控えて自宅でキャンプ気分を味わう「家キャン」を楽しむ人たちが増えています。
こうした社会背景を踏まえ、アウトドア製品の開発・製造・販売を展開する(株)スノーピークの吉野真紀夫本部長は次のように語ります。
「現代社会は文明の高度化により生活の利便性が増す一方、過度なストレスなどにより人々の人間性が疎外されているという側面があります。キャンプで自然に触れることは、人間性の回復に最も有効な手段だとスノーピークは考えています。また都市生活者であっても身近な自然を生活に取り入れることができ、人間らしさを取り戻すことができます。そのことを私たちは『野遊び』と呼んでいます。スノーピークの使命は、自然のなかで生きる力、家族や友人とのコミュニケーションなど、現代社会で失われつつある『自然と人、人と人のつながり』を提案し、実現することにあります。そのため、新しい価値があるオリジナル製品をつくる企画開発力と、ユーザーとつながるリレーション活動を大切にしています」

スノーピークの製品開発は、創業者が自分で使う山登りの道具を求めて新潟県燕三条の職人技術を活かしたオリジナルの登山用品を開発したところから始まり、自らが欲しいと思える道具をデザインするというものづくりの精神が脈々と受け継がれています。例えばチタン製マグカップは、軽くて丈夫で、金属臭がなく、保温・保冷に優れ、さびないというチタンの特性にいち早く着目し、開発されました。無駄のないシンプルなフォルム、収納しやすく握り心地の良い取っ手のデザインは、燕三条の金属加工技術によって具現化され、チタン素材には日本製鉄の TranTixxiiが使われました。キャンプの朝、澄んだ空気のなか、お湯を沸かし、マグカップに注がれたコーヒーをゆっくりと飲む。その至福のときに、チタン製マグカップは欠かせない相棒となり、世界中のキャンパーに愛され、スノーピークの代名詞のつとして人気を誇っています。

※グランピング:グラマラスとキャンピングを掛け合わせた造語で、テント設営や食事の準備などが不要なキャンプテイストの宿営施設。

ものづくりの絆の循環からチタン製ウォーターボトルが誕生

さらにスノーピークの企画開発力、燕三条の金属加工技術、日本製鉄TranTixxiiが再びコラボして、チタン製ウォーターボトルが開発されました。容量800ミリリットルのボトルは、1枚の純チタン薄板の円盤からつくられています。落としても凹みづらいように底面は1ミリ、軽さを求めて側面0・4ミリ、口当たりの良さと洗いやすさのために口元はフチ巻きをせず0・8ミリの厚みに加工されています。この複雑な形状を溶接でつなぐことなく、一体成形することで、軽くて強いボトルをつくり出しています。さらにボトル表面の陽極酸化処理によりチタン上に元から存在する薄い酸化皮膜を成長させ、その皮膜の厚さを変えることで、全5色のカラーバリエーションを生み出し、チタンの下地加工肌を活かした美しい発色のウォーターボトルが完成しました。

「スノーピークは新潟県三条市の山間の小高い丘陵地帯に約15万坪という広大なキャンプ場を運営し、その傍らに 本社を構えています。開放感あふれる環境のなか、開発スタッフたちは自らのフィールド体験をもとに議論を重ね、デザインを考え、雨風や太陽光が注ぎ込むキャンプ場にパーツやモックアップを持ち込んでデザイン設計の仮説と検証を繰り返します。そして燕三条をはじめとする職人たちとともにプロトタイプ(試作品)を作成し、素材や材質の選定、製造方法など、あらゆる角度から品質を確認しスペックを固めていきます。こうした厳しい検証をクリアしたものだけが製品化されています。
製品は使っていただくなかで傷ついたり、壊れたりすることもあります。使い捨てではなく、何度も直して使ってほしい、愛着を持って道具と時を過ごしてほしいという思いから製品の永久保証を行っています。また全国各地で開催しているキャンプイベントに開発者も参加して、ユーザーの皆様と焚火を囲んでつながり、製品の使い心地などをうかがっては、その声を次の新製品開発に活かしています。こうしたものづくりの絆の循環から、チタン製ウォーターボトルも誕生しました」(吉野本部長) ウォーターボトルは登山やキャンプ、スポーツなどのアウトドアだけでなく、オフィスや街などでもマイボトルとして活用されています。どこにでも連れていきたくなる美しく輝くチタン製ウォーターボトル。スタイリッシュな野遊びのテクノロジーを TranTixxiiがこれからも支え、私たちの暮らしを心豊かにしていきます。

チタン製ウォーターボトルができるまで

1ミリ厚の1枚の円盤チタン(1)から、新潟県燕三条の卓越した金属加工技術(2・3・4)によってボトル形状がつくり出され、陽極酸化処理(5)によって美しい発色が生まれ、厳格な製品検査(6)を経て、製品が店頭に並びます。

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