中﨑: これまで建築の金属材料では,鉄やアルミ,銅が建材として多く使われてきました。近年,それらとは違った特性をもつチタン(Titanium)が建築用材料として進化し,既存建材からの置換えも行われていると聞きます。そしてさらなる活用をめざして, 隈研吾さんにお声がけしたチタンのプロジェクトも進行しています。
そこで今日は,そのプロジェクトに一緒に取り組んでいる企業3社と,隈事務所の担当の宮澤一彦さんにお話をうかがいながら,チタンのことをもっと知り,これからの建築におけるチタンの可能性を探ってみたいと思います。
そこで今日は,そのプロジェクトに一緒に取り組んでいる企業3社と,隈事務所の担当の宮澤一彦さんにお話をうかがいながら,チタンのことをもっと知り,これからの建築におけるチタンの可能性を探ってみたいと思います。
知見: チタンは新しい金属です。銅は6000年,鉄は4000年,アルミは200年近くの歴史がある中で,チタンは工業用生産が始まってまだ70年くらいです。鉱石自体はもっと昔に見つかっていたのですが,ギリシャ神話で地底に封じ込められたタイタン(巨人)にちなんで命名されたように,金属を取り出すまでに苦労を要しました。建築に使われてからは,まだ45年くらいしか経っていません。
金属としてのチタンは「軽い」「さびない」「強い」という3つの特徴をもっていて,主に航空機やプラント,熱交換器などに使われています。
「軽さ」は安全性の確保や耐震性につながり,加工・施工時の負荷を軽減できます。「さびない」ことでライフサイクルコスト(LCC)を低減でき,メンテナンスも不要。使う場所を選びません。そして「強い」ので,たとえばアルミよりも板厚を薄くできます。また,環境への影響はほとんどありません。チタンの人工骨や人工関節もつくられており,生体適合性のよい材料です。
さらに,意匠面の大きな特徴として干渉色があります。表面に存在する無色透明の酸化皮膜のおかげでさびないのですが,光がその皮膜を通って干渉を起こし,
さまざまな色を発します。外壁に使っていただくと,たとえば朝昼晩の光で色が変わり,人が見る立ち位置によっても色が変わる。そういう面白い効果もねらえます。
金属としてのチタンは「軽い」「さびない」「強い」という3つの特徴をもっていて,主に航空機やプラント,熱交換器などに使われています。
「軽さ」は安全性の確保や耐震性につながり,加工・施工時の負荷を軽減できます。「さびない」ことでライフサイクルコスト(LCC)を低減でき,メンテナンスも不要。使う場所を選びません。そして「強い」ので,たとえばアルミよりも板厚を薄くできます。また,環境への影響はほとんどありません。チタンの人工骨や人工関節もつくられており,生体適合性のよい材料です。
さらに,意匠面の大きな特徴として干渉色があります。表面に存在する無色透明の酸化皮膜のおかげでさびないのですが,光がその皮膜を通って干渉を起こし,
さまざまな色を発します。外壁に使っていただくと,たとえば朝昼晩の光で色が変わり,人が見る立ち位置によっても色が変わる。そういう面白い効果もねらえます。