2021/11/12
株式会社アイ・ロボティクス
日本製鉄株式会社
日鉄テックスエンジ株式会社
我が国では、製造業や各自治体での高度経済期に建設・整備されたプラントやインフラ設備において、設備老朽化や人手不足による整備作業負荷とコストの増大が顕在化しており、産業基盤のDX化による「機械化・遠隔化・自動化」の推進が喫緊の課題となっています。
株式会社アイ・ロボティクス(以下、アイ・ロボティクス)、日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)、日鉄テックスエンジ株式会社(以下、日鉄テックスエンジ)の3社は、こうした構造的な課題に対し、解決策のひとつとして「ドローン壁面補修ソリューション」を開発しています。
壁面近傍での高精度なドローンの制御は困難であり、従来の人力作業を代替できるような壁面塗装補修用ドローンは実運用化されていませんでした。今回、実運用化を進める上での課題を抽出し、解決方法を踏まえた新しい工法の実証実験を行うことで、ドローンを用いた壁面塗装補修を可能とする位置精度の確保、ドローンへの塗装機の据え付け及び資材補給方案、塗料飛散養生対策等に関する実用性を確認しました。
【実運用化に向けた主な課題と解決方法】
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1 | 高所かつ風影響下での高い位置精度確保 (塗装機-壁面間の作業距離、移動速度の制御) |
外壁吸着ロボットを活用した作業距離一定化および電動ウィンチでの速度一定化 |
2 | ドローンと重心位置が異なる塗装機の支持、長時間作業における資機材の運用方案 | ドローンからの吊り下げ機構による塗装機の支持、地上からの有線供給による資材補給方案 |
3 | 仮設足場および養生シートが無い状況下での塗料飛散養生対策 |
通常のエアレス式塗装ガンに代わる低圧式塗装ガンの採用およびエアーカーテン等によるハード対策強化 |
今まで人力に頼っていた高所作業などにおいて今後更なるDX化を推進することで、設備保全の効率化およびコスト削減につなげることができ、国外の最新のプラントに対する競争力を高める事も期待されています。
今後は、本技術をプラント設備の保全分野で広く活用し、整備作業のDX化を推進して参ります。
【参考】本件に関連する公表情報
日本製鉄「規制緩和の実現を受けた製鉄所でのドローン利活用拡大」
https://www.nipponsteel.com/news/20210830_100.html