2020/08/19
日本製鉄株式会社
日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)の意匠性チタンTranTixxiiⓇ(トランティクシー)が、青森県弘前市に本年7月オープンした芸術文化施設、弘前れんが倉庫美術館(所在地:青森県弘前市)の屋根材に採用されました。屋根の加工・施工は地元の勝又金属工業株式会社(青森県青森市、以下、勝又金属工業)が担当しました。施工面積は、2,982㎡(約4トン)で、素材には、TranTixxiiのシードル・ゴールドチタンを使用しています。
弘前れんが倉庫美術館は、明治・大正期に建てられた近代産業遺産の吉野町煉瓦倉庫を、新たに芸術文化創造の拠点として改修した弘前市初の公立美術館です。吉野町煉瓦倉庫は、戦時期に日本で最初にシードル(リンゴ酒)を製造開始した工場であり、1965年にシードルが製造停止された後も解体されずに弘前市により保存されてきました。建築設計は、エストニア国立博物館などを手掛けたAtelier Tsuyoshi Tane Architects(フランス・パリ市、代表:田根剛氏)が担当し、煉瓦倉庫を建てた当時の実業家・福島藤助の志を受け、「記憶の継承」を建築コンセプトに改修が行われました。
改修にあたっては、元の建物は築100年以上が経過し老朽化が激しかったため、耐震補強を行うことによる重量増は避けられず、屋根にはより軽量な材料が求められていました。また、雪による腐食を防ぎ長期に渡って建物を保存できる耐久性や、チタン特有の干渉色によるシードル・ゴールドに輝く意匠性、さらには、TranTixxiiのブランドコンセプトである「時を超える素材」が、田根氏のコンセプトである「記憶の継承」とマッチすることなどから、田根氏が、未来への可能性を引き出す素材として、日本製鉄の意匠チタンTranTixxiiを候補として検討いただき、今回の物件への採用につながりました。
チタンは、軽量・高強度・高耐食という優れた素材特性を有しており、屋根の軽量化による耐震性向上や、腐食の厳しい環境下での長寿命化を実現できます。さらに、TranTixxiiはチタン本来の素材特性に加えて、チタン表層に存在する酸化被膜による多彩な色彩と独自のテクスチャーによって多様な意匠表現が可能です。本プロジェクトでは、微妙に色彩の異なる様々なパターンのゴールド発色サンプルを試作し、理想の色彩であるシードル・ゴールドが完成しました。加えて、加工性を向上させたTranTixxiiは、チタン初加工の勝又金属工業が屋根の施工を行い、美しい屋根の実現に貢献しています。
日本製鉄は、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した製造プロセスの開発、優れた製品・サービスの提供を通じて社会の発展に貢献して参ります。
■意匠性チタンTranTixxii
TranTixxiiⓇは、独自の最先端技術によって実現した様々な色彩・色調を、チタンのもつ優れた耐食性と耐変色性によって、時を超えて持続させることができる世界初のチタンブランドです。建築分野では、住まいや建築物を守り・美しく彩る屋根・壁をはじめ、ルーバー・表札・水切り等、様々なニーズにお応えしながら機能性・意匠性・成形性を追求しています。