表面処理鋼板は、取扱い使用方法が適切でないとその特長を十分に活かせませんので、ご使用の際には、次の点にこ留意ください。また、本資料に記載された技術情報は、代表的な特性や性能の一例を示すものであり保証を意味するものではありません。本資料に記載されている情報の誤った使用または不適切な使用によって生じた損害につきましては、責任を負いかねますのでご了承ください。

■荷役・保管

1. 荷役・保管中の水濡れは、錆の原因になります。雨中荷役、潮濡れ、結露等には厳重に注意してください。また、高湿度、亜硫酸ガス雰囲気での保管も好ましくありません。乾燥した清浄な屋内保管をお奨めします。
2. 梱包紙の破損は、補修するようお願いいたします。
3. 長期間、コイルやシートで積み重ねられた状態で保存されますと、めっき表面が黒色化することがありますので、お早めにご使用することをお奨めします。

■取り扱い

1. 鋼板表面を有機溶剤で擦る場合、表面の皮膜が摩耗あるいは剥離することがありますのでご注意ください。
2. また、汗、指紋等の表面への付着も塗装や耐食性への障害となります。これらの場合、必要に応じて、後処理、補修を十分に行ってください。
3. 油などの異物付着による汚れは塗装性能を妨げることがありますので、ご注意ください。

■加工

1. 脱脂には、弱アルカリタイプ、有機溶剤脱脂およびノニオンタイプ中性洗剤をお奨めします。脱脂剤の中には、強アルカリタイプ等皮膜を溶解するもの、亜鉛を腐食するものもありますので、ご使用に先立ちご確認ください。
2. 脱脂時の温度が高い（60℃以上）場合にも、十分な確認をお願いします。
3. 脱脂後は充分乾燥を行ってください。乾燥不充分な状態で取扱いますと皮膜が剥離することがあります。
4. 超音波洗浄、アルカリイオン洗浄についても、ご使用に先立ちご確認ください。

■時効

一般に鋼板は時間の経過と共に、材質が劣化する傾向を有します。
即ち、加工性の劣化、ストレッチャーストレイン、腰折れの発生がそれです。
これを防ぐためにも、出来るだけ早い時期のご使用をお奨めします。

■色調

1. 一般的に溶融系めっき鋼板は、非塗装でご使用された場合、時間の経過とともに金属光沢減少（いわゆる黒変現象）や色調変化が発生します。後塗装省略にて、またはステンレス、アルミニウム代替としてZEXEEDのご活用を検討される場合には、その点に留意下さるようお願いします。
2. 黒変現象とは、亜鉛表層の極く薄い酸化膜の存在によって黒くみえる現象です。

■溶接

1. 抵抗溶接においては、亜鉛のピックアップによる電極の損傷を生じますので、適切な手入れや取り換えが必要です。
2. 溶接の際、酸化亜鉛を主成分とするヒュームが発生します。その影響は、めっき付着量や作業環境によって異なりますが、換気、通風の良い場所での作業をお奨めします。

■塗装

塗装性は、塗料のタイプ、塗装の方法により異なりますので、事前にご使用の塗料でご確認ください。

■異種金属腐食

1. 異種金属と接触させて使用すると腐食電位の卑な金属の腐食が促進されます。
2. リベット類にSUS304等の貴な金属を使用すること等による異種金属腐食が懸念される場合は、対策として貴な金属のコーティング等による絶縁処理が必要です。

■使用環境への配慮

ZEXEEDは一般の使用環境では耐食性能が優れていますが、亜鉛めっき等の使用が適さないような厳しい特殊な使用環境ではその優位性が十分発揮されず、早期に赤錆が発生するケースがあります。下記例のような使用環境でのご使用はご注意ください（場合に応じて悪影響を回避する対応策を併用して使用を検討いただくようにご配慮ください）。

• 水中、流水中、水（雨水、アルカリ水等）が溜まる環境
• 腐食促進因子（火山灰、酸性雨、産業廃棄物、排煙、アンモニアガス等ガス類、薬品類等）が混入する環境
• 出荷後の輸送、保管、加工、建設、保守、改造等により物理的または化学的な損傷が生じた場合
• 異種金属との接触腐食や化学的または物理的変化を生じさせる他材料との接触によりめっきに損傷が生じた場合
• 曲げ加工や他材料との接触などによりめっきに物理的な損傷が生じた場合
• 酸および強アルカリヘの適用はお避けください。

■使用環境への配慮

高温状態に長時間晒されるような使用に際しては事前にご確認ください。

その他、ZEXEEDに関する不明点等ございましたら、下記フォームよりお問い合わせください。