東日本大震災における津波被災農地の除塩対策において転炉スラグ肥料が効果を発揮

2013/03/08

新日鐵住金株式会社
東京農業大学
相馬市
JAそうま

東日本大震災における津波被災農地の除塩対策において転炉スラグ肥料が効果を発揮
~福島県相馬地域での「そうまプロジェクト」にて転炉スラグ肥料の適用を拡大~

 新日鐵住金株式会社(代表取締役会長兼CEO:宗岡 正二 以下「新日鐵住金」)は、同社で生産する鉄鋼スラグを肥料メーカーに供給しており、同社の鉄鋼スラグ(*1)を利用した肥料については、ミネカル2号等(製造・販売社:テツゲン)、てんろ石灰(製造・販売社:ミネックス)、ミネカル®・農力アップ®(製造・販売社:産業振興)、良土良栽くん®(製造・販売社:広鉱技建)、くみあい珪鉄(製造・販売社:清新産業)、含鉄肥料(製造・販売社:製鉄鉱業大分)が販売されております。

 新日鐵住金は、福島県相馬地域において東日本大震災に伴う津波被害農地の除塩対策に取り組まれる東京農業大学(学長:大澤 貫寿 以下「東農大」)の後藤教授らのグループに対して、復興支援の観点を踏まえ、転炉スラグ肥料(*2)を約20トン無償提供し、研究に協力して参りました。同グループでは、2011年5月よりイチゴハウス、同年9月より水田1.7haに対して転炉スラグ肥料を施肥した結果、同肥料が迅速かつ効率的な除塩に極めて有効な方法であることが実証され、相馬方式(東京農大方式)を確立しております。

 福島県相馬地域では、津波被害農地の復興対策が開始され、2013年度以降も活動が継続される中にあって、2013年度より、東農大、相馬市(市長:立谷 秀清)、JAそうま(代表理事組合長:内藤 一)により立ち上げられた、「そうまプロジェクト」では、50ha程度の被災大規模農地で転炉スラグ肥料を活用した除塩対策の実証を計画しております。また、新日鐵住金は、同プロジェクトで使用する転炉スラグ肥料の太宗について提供することを通して、復興事業へ貢献して参ります。

 新日鐵住金は、鉄鋼スラグを様々な用途で活用することによって自然資源の新規使用節約を推進するとともに、鉄鋼スラグ特有の優れた特性を活かす更なる用途開発を進めていく考えです。
また、建築・土木向け鉄鋼製品の提供に加えて、鉄鋼スラグ製品の供給および適用技術の提案を通して、東日本大震災からの復旧・復興に貢献して参ります。

(注)
(*1)鉄鋼スラグとは、鉄鉱石と石炭から鉄鋼を製造するプロセスにおいて、鉄以外の成分や成分調整のための添加される精錬剤に由来し副次的に生産され、産出する工程により高炉スラグと製鋼スラグがあります。セメント用、路盤材、土木用、コンクリート骨材、肥料等の用途に、生産量のほぼ全量を販売・有効活用されています。
(*2)転炉スラグは、高品質な鋼を製造するため成分調整を行う製鋼工程中の転炉工程において、石灰等の精錬剤に由来して産出します。転炉スラグ肥料は、CaO(石灰)とSiO2(ケイ酸)を主成分とし、MgO(苦土)、FeO(鉄分)やP2O5(リン酸)、MnO(マンガン)やB(ホウ素)といった肥料成分を含有しています。


詳細はこちらをご覧ください(PDF 133KB)PDFファイルへリンクします


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