サステナビリティ
環境への負荷の少ない社会の構築に貢献していきます
日本製鉄は製鉄プロセスにおける熱分解処理工程(コークス炉)に着目し、1997年から廃プラスチックの再資源化に向けて研究を行ってきました。2000年秋に名古屋製鉄所・東日本製鉄所 君津地区で設備を立ち上げて以降、全国6カ所の製鉄所に展開し、全国をカバーする廃プラスチックの受け入れ体制を確立しました。現在では、日本全国の自治体で回収される廃プラスチックの約3割を当社で再資源化しています。
日本は、環境とエネルギーの問題を解決するとともに、産業競争力や経済発展も実現しなければならないという非常に困難な課題に直面しています。この課題を解決する1つの鍵は、既存資源を、さまざまな用途への多重利用を含めて、極限まで有効活用することにあります。この点で、コークス炉を活用した廃プラスチックの再資源化は理想的な技術だと思います。脱塩素工程もいらず、既存のコークス炉を活用するため初期投資が大幅に抑えられます。廃プラスチックは、コークス、熱、電気、化成品などへ姿を変えて再利用されます。製鉄所は、確かにCO2を大量に排出します。しかし、だからこそ、環境問題を解決するためのアイデアの宝庫でもあります。環境・エネルギー・経済の問題を解決する上で、製鉄所から私たちは多くを学ぶことができるはずです。